ニュースリリース
JFEスチール株式会社
株式会社セイケイ
高強度冷間プレス成形角形鋼管「PコラムG385」受注累計10,000トン突破
超高層ビルに普及拡大
この度、JFEスチール株式会社(以下、JFEスチール)と株式会社セイケイ(以下、セイケイ)が開発した、高強度冷間プレス成形角形鋼管「PコラムG385」の受注量が、2004年の商品化から累計で10,000トンを突破しました。
PコラムG385は、高強度と優れた溶接性・靭性を両立させた建築構造用550N/mm2級冷間プレス成形角形鋼管であり、高強度・厚肉化により、従来の490N/mm2級プレス鋼管では適用が困難とされた超高層建築物の下層部位への冷間プレス成形角形鋼管の適用を可能としました。素材であるTMCP厚鋼板の製造には、JFEスチールのナンバーワン先端技術であるオンライン加速冷却装置Super-OLAC®を活用しており、溶接施工性に優れています。至近では、本年1月に竣工した、アークヒルズ フロントタワー(*1、事業者:森ビル株式会社殿)に採用されるなど、超高層建築物の柱材として実績が急増しています。
PコラムG385は、JFEスチールが製造する厚鋼板HBL®385を、セイケイの優れたプレス技術・溶接技術で加工した冷間プレス成形角形鋼管で、セイケイにて2004年に国土交通大臣の認定を取得しています。降伏強度下限値が385N/mm2、引張強さ下限値が550N/mm2、設計基準強度(F値)が385N/mm2と高強度であると同時に、降伏比は80%以下および平板部でのシャルピー吸収エネルギーは0℃で70J以上を保証するなど、耐震性に優れた商品です。
これまで、JFEスチールとセイケイは、PコラムG385に関し、超高層建築物での採用事例の多いコンクリート充填鋼管(CFT)柱の構造特性に関するデータ等の整備を進め、本製品の適用範囲拡大に努めてきました。また、至近では、設計者からの要求で、「PコラムG385」等の高強度冷間プレス成形角形鋼管に、JFEスチールとセイケイが特許を保有する、耐破断性能に優れた独自の溶接技術であるNBFW溶接(*2)を適用する事例も増えています。
両社は今後とも、付加価値の高い冷間プレス成形角形鋼管の開発・適用範囲拡大に努めてまいります。
所在地 | 東京都港区赤坂2丁目23-1 | |
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敷地面積 | 2,006.45 m2 | |
建築面積 | 1,251.61 m2 | |
延床面積 | 24,858.49 m2 | |
階数 | 地下1階、地上22階、塔屋1階 | |
用途 | 事務所、住宅、店舗、駐車場 | |
建物高さ | 98.39 m | |
構造 | S造 一部SRC造 / 制振構造 | |
事業者 | 森ビル株式会社 | |
設計者 | 基本設計 | 森ビル株式会社、株式会社プランテック総合計画事務所 株式会社山下設計、株式会社建築設備設計研究所 |
実施設計・監理 | 大成建設株式会社、株式会社建築設備設計研究所 | |
施工者 | 大成建設株式会社 | |
着工 | 2009年2月 | |
竣工 | 2011年1月 |

「NBFW溶接」は、建築土木分野等における構造部材の接合部の脆性的な破断を防止し、耐震性能を向上させる画期的な溶接方法および溶接接合部です。溶接部は一般に溶接時の熱影響により、鋼材の一部に材質変化(熱影響部HAZ; Heat Affected Zone)が生じます。この材質変化により、熱影響部の強度や靭性の低下などが生じ、その結果耐震性能に悪影響を及ぼすことがあります。本発明は、溶接部近傍に発生した亀裂のこのような材質変化が生じている熱影響部への伝播を防止し、亀裂の伝播を制御する全く新しい溶接方法であり、昨年、優れた技術が評価され、社団法人発明協会による地方発明表彰を受賞致しました。 なお、「NBFW」についてはJFEスチール、セイケイより商標登録を申請しております。 |
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(株)セイケイ 東京支店 | 開発部 | TEL 03(3836)9351 |