巻頭言

JFE技報 ONLINE ISSN 2185-4327 / PRINT ISSN 1348-0669

No.40 2017年8月 スラグ製品特集号

巻頭言

JFE スチール 専務執行役員 渡辺  敦

JFE スチール 専務執行役員

渡辺  敦

2017年,米国トランプ大統領のパリ協定離脱が話題となっていますが,地球温暖化対策や各種環境対策など環境と経済の両立は重要な課題であり,鉄鋼業においても取り組みを強化しています。なかでも循環型社会の形成はCO2削減に大きく寄与することもあり,積極的に取り組む課題となっています。

鉄鋼スラグは,鉄鋼製品を生産する過程での副産物であり,国内で年間約4000万トンが生産されおり,産業界においては最大量の副産物です。JFEスチール(株)の生産量も約1200万トンに及びます。このボリュームや成分特性を活かして各種の「鉄鋼スラグ製品」に加工され,限りある天然資源代替の循環型資源として有効利用されています。加えて,海域の底質,水質改善や漁場整備など環境共生分野においても付加価値を持った環境資材としての貢献が期待されています。

今回の「スラグ製品特集号」では,セメント原料,コンクリート用骨材,道路路盤材,地盤改良材などの循環型資源としての利用状況,付加価値をもった新製品開発状況,原料スラグ生産に関する鉄源リサイクル,熱回収について紹介いたします。

製鋼スラグ系製品については,海域環境改善技術として成分特性を利用した硫化物吸着効果による底質改善や生物付着基盤利用による水質改善について実施例を交えて紹介いたします。水産事業分野として浅場造成材料による漁場整備について実施例を紹介いたします。浚渫土の有効利用や鉄鋼スラグ水和固化体の海水練りといった建設資材系の最新動向についても紹介いたします。これら製鋼スラグ系の新製品についてはエコプロダクツ大賞や国土技術開発賞を受賞し社会実装,社会貢献にむけて積極的に取り組んでおります。

高炉スラグ系製品については,高品質なセメントコンクリート分野への取り組みとして高強度緻密化骨材の開発,高炉スラグ微粉末,高炉スラグ細骨材の特性を活かした高耐久性コンクリートについて紹介いたします。

スラグ事業においても,JFEグループの企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する。」の下,環境基準,品質規格が担保された「鉄鋼スラグ製品」が有用な循環型環境資源,資材としてご利用いただけるよう技術開発,製品開発を進め,地球環境と共存した持続可能な社会実現のため努力してまいる所存です。皆様のより一層のご指導,ご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。

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