巻頭言

JFE技報 ONLINE ISSN 2185-4327 / PRINT ISSN 1348-0669

No.37 2016年2月 分析・解析特集号

巻頭言

JFEスチール 専務執行役員 スチール研究所長 曽谷  保博

JFEスチール 専務執行役員
スチール研究所長

曽谷  保博

近代製鉄が始まって以来,鉄鋼製品の高性能化および安定した品質の鉄鋼製品の供給という社会ニーズがますます高まっています。化学分析技術および物理解析技術は,重要な基盤技術の一つとして鉄鋼製品の開発と製造を支えてきました。社会のニーズに応え鉄鋼製品がより高性能化・高機能化している現在,分析・解析技術の重要性はますます大きくなっています。

JFEスチールは,見えなかったものを可視化し,検出できなかったものを定量化する高度な分析・解析技術を世界に先駆けて開発し,その技術を駆使した製品およびプロセスの開発を推進しています。たとえば,ナノメートルレベルの析出物や複雑な鋼組織を正確に評価する電子顕微鏡技術を開発し,高強度と高延性を両立する自動車用超ハイテン材の開発に活用しています。ppm以下の微量元素分析技術を開発し,過酷な環境下での使用に耐える超清浄度鋼の製造プロセスの実現を可能にしています。さまざまなスケールで多角的な視点から材料の構造,特性および現象を解明するため,中性子線や計算科学の活用にも挑戦しています。また,将来にわたり持続可能な社会の実現に向けて製鉄業の環境負荷をさらに減少するために,分析・解析技術を開拓し適用を進めています。

JFEグループ各社では,独自の分析・解析技術を導入あるいは開発して魅力ある製品開発や課題解決に取り組んでいます。また,JFEスチールで培った先端分析・解析技術をさまざまな業界のお客様ニーズに合わせて発展させ,総合的なソリューションサービスを提供しています。

本特集号では,JFEグループの分析・解析技術に関する最近のアクティビィティーを紹介します。JFEグループにおける分析・解析技術の歴史と今後の展望を述べた後,最近のトピックスを報告します。先人から連綿と受け継がれる高度な分析・解析技術に対する精力的な取組みが,グループの技術開発を牽引していることを感じ取っていただければ幸いです。

JFEグループは,今までにない魅力を有する製品や技術を世に出し,社会に貢献してゆきたいと思います。原理・原則の把握やメカニズムの解明に基づくブレークスルーや,新現象や新機能の発見によるイノベーションを牽引するため,分析・解析技術とその利用技術の高度化に力を入れていく所存であります。皆様方のご指導とご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。

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