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JFEスチール株式会社

「デュアルコイル電磁石による表面処理鋼板の非接触通板制御装置」が
2013年度日本機械学会賞(技術)を受賞

当社が開発した「デュアルコイル電磁石による表面処理鋼板の非接触通板制御装置」が、一般社団法人日本機械学会(会長:矢部 彰)から2013年度日本機械学会賞(技術)を受賞し、4月18日に明治記念館(東京都港区)において授賞式が行われました。同賞は、日本の機械工学・工業の発展を奨励することを目的として、優秀な論文や技術などに対して毎年与えられるものです。当社の同賞受賞は今回が初めてとなります。

1.受賞技術名
  「デュアルコイル電磁石による表面処理鋼板の非接触通板制御装置」

2.受賞者

西名 慶晃   スチール研究所 機械研究部 主任研究員
石田 匡平   スチール研究所 機械研究部 主任研究員
石垣 雄亮   スチール研究所 機械研究部 主任研究員
永井 肇   西日本製鉄所(倉敷地区) 冷延部 部長
小澤 悠一   西日本製鉄所(倉敷地区) 冷延部 冷延技術室 主任部員

3.開発の概要

連続溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインでは、高温で溶融した亜鉛のポットに連続的に鋼板を浸漬して引き上げ、過剰に付着した亜鉛をワイピングノズルによって掻き落として目標のめっき付着量に制御しています。めっき付着量の均一化のためには、ワイピングノズルと鋼板の間隔を一定に保つことが重要であるため、ノズル上方に設置した電磁石(非接触式)及びサポートロール(接触式)により、鋼板の反り形状矯正と、振動防止を行っています。但し、この時点で鋼板表面の亜鉛は半溶融状態であるため、サポートロールと接触する際に発生した亜鉛粉が鋼板に付着し、表面欠陥の原因となっていました。

この問題を解決するためには、サポートロールを使用せずに非接触での通板制御が必要となりますが、従来の電磁石では制御能力が不足していました。そこで当社は、巻数の多いコイルと巻数の少ないコイルの2系統で形成する、世界初となる「デュアルコイル電磁石」を開発しました。コイルを2系統とすることにより、鋼板の反り形状を矯正するために一定の吸引力を発生させる機能と、鋼板の振動にあわせて電流を制御する機能が分離されました。これにより電磁石に要求される吸引力と応答性の両立を実現し、サポートロールを用いない非接触での通板制御が可能となりました(下図参照)。

今回開発した、デュアルコイル電磁石を用いた非接触通板制御装置は、既に当社の製造ラインに設置されており、鋼板の品質向上に大きく貢献しています。

当社は今後とも、積極的な技術開発と設備投資を積み重ね、高品質な溶融亜鉛めっき鋼板の安定供給を可能とする製造プロセスの確立に努めてまいります。


【写真】明治記念館での授賞式

明治記念館での授賞式

【図】デュアルコイル電磁石による非接触通板制御装置

デュアルコイル電磁石による非接触通板制御装置
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 Tel 03(3597)3166

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