2013年11月21日
  • JFEスチール株式会社

鉄鋼中の極微量硫黄の高精度分析装置を世界初開発
~極低硫黄鋼の安定生産に貢献へ~

当社はこのたび、鉄鋼中に存在する硫黄の含有量を0.1ppmレベル(1ppmは100万分の1)まで分析できる装置を世界で初めて開発しました。独自の「高周波燃焼-紫外線蛍光法」(*)を用いており、従来の分析方法に比べ10倍以上の精度での測定が可能です。

鉄鋼材料中の硫黄は材料をもろくさせる性質があるため、含有量をできるだけ減らすことが必要となります。これまでに硫黄含有量を数10ppmから数ppmレベルまで減らした鉄鋼製品を生産する技術を確立する一方、硫黄含有量を目的の範囲に制御するための迅速かつ高感度な分析技術の開発が望まれていました。このニーズに対応し、鉄鋼材料中0.5ppmの硫黄を±0.1ppmの精度まで分析できる装置を開発し、西日本製鉄所(福山地区)製鋼工場内の分析室に設置しました。

高周波燃焼法の長所である迅速性、および紫外線蛍光法の長所である高感度かつ妨害成分が少ない点を組み合わせることで、鉄鋼材料中の極微量硫黄測定の迅速化と高精度化を両立させました。さらに、従来法では不可欠だった、妨害成分を除去するための脱水試薬の交換頻度が大幅に少なくなり、メンテナンス性も向上しました(表参照)。

本装置は、鉄鋼製造におけるプロセス管理や新製品の開発に極めて優れた威力を発揮します。近年、エネルギー需要の増大に伴い、天然ガスや石油の開発地域や開発環境は多様化しており、より過酷な環境で使用されるラインパイプ材などに用いられる低硫黄鋼の開発に貢献しています。

当社は今後も最先端の分析評価技術を活用して、優れた品質を有する鉄鋼製品の開発や安定生産に努めてまいります。

(*) 高周波燃焼-紫外線蛍光法
   高温酸素中で鉄鋼材料を急速に溶解し、材料中に含まれる硫黄を酸化物としてガス化させた後、そのガスに紫外線を当てることによって放出される「蛍光」と呼ばれる光を検出する方法。


【表】従来の硫黄分析方法との比較
  新方法 従来の方法
分析方法
燃焼-紫外線蛍光法 燃焼-赤外線吸収法
分析下限
0.5ppm 5ppm
誤差
±0.1ppm ±2ppm
脱水試薬の交換
試薬不要(*)
分析対象
ニッケル、チタン、銅、マンガンなどへの展開可能 同左

(*) 鋼中の炭素を赤外線吸収法で硫黄と共に分析する場合には、炭素測定のために脱水試薬を用いることが好ましい。

【写真】金属材料中微量硫黄分析装置


金属材料中微量硫黄分析装置

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