2013年9月20日
  • JFEスチール株式会社

超大入熱溶接用高強度鋼板が第5回ものづくり日本大賞の経済産業大臣賞を受賞

当社は「超高層ビルの安全性と経済性向上に貢献する超大入熱溶接用高強度鋼板の開発」の功績により、第5回ものづくり日本大賞の経済産業大臣賞を受賞し、9月19日にザ・プリンス パークタワー東京(東京・港区)にて表彰式が行われました。当社の経済産業大臣賞受賞は、第3回、第4回に続いて3回連続となりました。

ものづくり日本大賞は平成17年に創設された表彰であり、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきた「ものづくり」を着実に継承し、さらに発展させていくために、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や今後を担う若手人材など「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材等を表彰する制度です。

1. 受賞件名:
  超高層ビルの安全性と経済性向上に貢献する超大入熱溶接用高強度鋼板の開発

2. 受賞理由:
  今回の受賞は、超大入熱溶接施工による溶接部の材質劣化を防止することで、超高層ビルの高い耐震安全性の確保と経済性向上の両立を実現した革新的な高強度鋼板の開発が高く評価されたものです。

3. 受賞者:
  大森 章夫 当社 スチール研究所 鋼材研究部 主任研究員(開発リーダー)を代表とするグループ

4. 開発の概要:
  建築物の高層化に伴い、鉄骨構造における四面ボックス柱には厚肉・高強度の鋼材が使用され、また、耐震安全性向上のため、溶接部の高靭性化が強く求められています。しかし、四面ボックス柱の溶接組立を効率化する大入熱溶接を適用した場合、従来の高強度鋼では溶接部の靭性低下が避けられず、経済性と安全性の両立が困難でした。

そこで当社は、優れた溶接部靱性と良好な溶接施工性を併せ持つ超大入熱溶接用高強度鋼板の開発を行いました。具体的には、オンライン加速冷却装置Super-OLAC®(*1)を活用した製造プロセス技術により、溶接部靭性劣化の原因となる合金元素を用いずに高強度化を実現し、さらに、微量添加元素の最適利用技術(*2)により、溶接熱影響部の材質変化を防止するなど、複合技術を組み合わせることにより、超大入熱溶接部の靱性向上と高強度化の両立に成功しました。

今回受賞対象となった超大入熱溶接用高強度鋼板は、2003年より東日本製鉄所京浜地区にて本格的に生産を開始し、多くの超高層ビルに使用されています。

また、当社弓削佳徳を代表とするグループによるLP鋼板(*3)の製造技術開発が評価され、「鋼構造物の環境負荷軽減に貢献する長さ方向に厚みを変化させた厚鋼板製造技術の開発」で同大賞の優秀賞を受賞しました。

(*1) Super-OLAC®
  高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。
JFEスチールのナンバーワン先端技術。
(*2) 微量添加元素の最適利用:
  重量比で数ppm~0.1%程度といったごく微量の添加で効果を有する元素(マイクロアロイ)を用いた材料設計技術。
(*3) LP鋼板:(Longitudinally Profiled)
  長手方向に板厚を変化させた高機能鋼板。船舶や橋梁等の鋼構造物の板継ぎ溶接部を省くことが可能であり、構造物全体の施工工数削減や構造の簡素化、軽量化を可能とする。

<本開発鋼適用物件の例>

新丸の内ビルディング  
新丸の内ビルディング
所在地 東京都千代田区丸の内
階数 地上38階、塔屋1階、地下4階
構造 鉄骨造(地上)、
鉄骨鉄筋コンクリート造(地下)
建築主 三菱地所(株)
設計者 (株)三菱地所設計
監理者 (株)三菱地所設計
施工者 (株)竹中工務店

ものづくり日本大賞


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JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166