2011年11月30日
  • JFEスチール株式会社

「フェロコークス」製造のためのパイロットプラント稼働について

当社はこのたび、革新的な高炉原料である「フェロコークス」の製造プロセス技術開発の一環として、東日本製鉄所(京浜地区)に建設していたパイロットプラントを完成させ、稼働を開始しました。

本パイロットプラントは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)(2011年度からは経済産業省)による「資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発」プロジェクトとして建設してきたものです。2011年4月に前工程である成型設備が稼働し、このたび主要工程である乾留炉が稼働を開始しました。これにより、高炉使用時の二酸化炭素排出量の大幅削減、省エネルギー、劣質石炭・鉱石使用による資源対応力強化を目的とした「フェロコークス」製造プロセス技術の確立と実用化を目指します。

当社は、資源循環社会の構築により、地球環境に一層寄与していくために、更なる技術開発を進めてまいります。

【設備工事概要】

1. 金 額 約35億円
2. 工 期 2009年12月~2011年9月


【開発プロセス概要】
 石炭、鉄鉱石を乾燥、成型する前工程と循環ガスによりガス加熱する乾留工程から構成され、コークス中に金属鉄(50μm)が分散したフェロコークスを製造します。

1. 製造能力 成型物:40トン/日 フェロコークス:30トン/日
2. フェロコークス 鉄含有量:約30%、大きさ:6cc
3. 実験期間 2011年4月~2013年3月


参考資料 : 「フェロコークス」製造プロセスについて

「フェロコークス」とは、高炉内で起こっている鉄鉱石還元反応の効率自体を改善し二酸化炭素の発生量を大幅に削減する革新的な高炉原料です。

石炭と鉄鉱石を事前に粉砕・混合・成型し、連続式の乾留炉で加熱することで「フェロコークス」を製造します。「フェロコークス」に使用する原料として、従来に比べ品位の低い石炭(非粘結炭、微粘結炭)や低品位鉄鉱石の使用割合を大幅に増加できます。(図1)

「フェロコークス」製造パイロットプラントは、当社東日本製鉄所(京浜地区)に2009年12月から建設してきました。本プラントは、

  • (1)石炭の粉砕および鉄鉱石との混合・乾燥・加熱を行う原料設備
  • (2)バインダー(鉄鉱石と石炭を結び付ける接合材)を添加後混練・成型を行う成型設備
  • (3)循環ガスによりガス加熱を行う乾留炉(縦型炉)
  • (4)ガス処理設備
  • (5)製品置場

から構成されています。2011年4月に原料設備、成型設備が稼働を開始し、このたび乾留炉、ガス処理設備、製品置場が稼働を開始しました。(図2)

今後は、2013年3月を目標にパイロットプラント規模での「フェロコークス」製造技術、設備技術を確立する計画です。製造された「フェロコークス」は、石炭に由来するコークス内に鉄鉱石に由来する超微粒の金属鉄(50μ以下)が分散した複合塊成物で、反応性が格段に高速化することに特長があります。(図3)

高炉では、通常のコークスの一部を「フェロコークス」に置き換えて使用します。操業中の高炉内では、一酸化炭素(CO)による鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応の進行により、二酸化炭素(CO2)が発生しています。「フェロコークス」内部に含まれている超微粒の金属鉄は、このCO2がコークス(C)と反応し還元ガス(CO)を再生成する反応(C+CO2=2CO)の触媒(*1)となり反応速度を大幅に向上させます。その結果、CO濃度が上昇し、鉄鉱石(焼結鉱)の還元反応は低温度でも進行するようになり、還元材比の大幅な低減が期待でき、CO2排出削減、省エネに寄与します。(図4)

我が国鉄鋼業においては、長期的かつ安定的な原料調達が極めて重要な課題のひとつであり同時に、中長期的に大幅なCO2排出抑制が求められています。これらの課題解決のために、2006年11月より2009年3月まで新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「革新的製銑プロセスの先導的研究」が産官学共同で進められました。今回のプロジェクトはこの先導研究の成果を発展させ、実用化技術の開発を目指すものです。

本プロジェクトにおいて、当社はパイロットプラントでの製造技術の開発を担当し、今回東日本製鉄所(京浜地区)にて日量30トンのパイロットプラントが稼働を開始しました。また、鉄鉱石と石炭と結びつけるバインダーの開発を(株)神戸製鋼所が、高炉操業プロセスの開発を新日本製鐵(株)、住友金属工業(株)が担当しています。プロジェクト「エネルギーイノベーションプログラム/資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発」の助成を受けて、当社を含む高炉4社の他、東北大学など主要な大学との産学連携で2009年度~2012年度の間で開発を行います。(2011、12年度は経済産業省からのエネルギー使用合理化先進的技術開発費補助金事業として開発を行います。)

(*1) 触媒作用 : 金属鉄(Fe)が酸化反応(1)、還元反応(2)を繰り返すことにより、全体としての反応(3)を促進する。

CO2 + Fe = FeO + CO ・・・(1)
C + FeO = Fe + CO ・・・(2)
C + CO2 = 2CO ・・・(3)


フェロコークス製造プロセスフロー
図1 フェロコークス製造プロセスフロー



フェロコークスプロセス パイロットプラント概要

図2 フェロコークスプロセス パイロットプラント概要




パイロットプラントで製造されたフェロコークス

図3 パイロットプラントで製造されたフェロコークス





フェロコークス使用によるCO2低減

図4 フェロコークス使用によるCO2低減

 

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166