2011年7月29日
  • JFEスチール株式会社

550N/mm2級円形鋼管『P-385』を使用した超高強度コンクリート充填鋼管を実用化

当社はこのたび、550N/mm2 級円形鋼管『P-385』の内側に100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱(*1)の実証実験を実施・完了しました。これにより、『P-385』を使用した超高強度CFT柱の実用化に目処を立てました。

高層建築物においては、経済設計の観点から、鋼管内にコンクリートを充填し、強度を高めたCFT柱を採用する事例が一般化しています。近年では使用される鋼管及びコンクリートの高強度化が進んでおり、当社では2009年に、建築構造用550N/mm2 級冷間プレス成形角形鋼管『PコラムG385』に60N/mm2の高強度コンクリートを充填したCFT柱への適用実証実験を行いました。今回は、『PコラムG385』と同強度の円形鋼管『P-385』に、100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱の適用実証実験を実施しました。実験には、国内有数の大型試験機を使用することで、実大級の大規模試験体により構造安全性を確認しています。この超高強度CFT柱を使用することで、標準的な490N/mm2級の鋼管に60N/mm2のコンクリートを充填したCFT柱に比べて、鋼材重量を最大約3割低減することが可能となります。また、鋼材重量を増やさずに外径を約1割縮小することも可能となり、室内利用空間の拡大を実現することも選択可能となります。今後、主に超高層ビルを中心とした適用を提案していきます。

『P-385』は、当社のナンバーワン技術であるオンライン加速冷却装置Super-OLAC®(*2)を活用して製造した厚鋼板を曲げ加工した建築構造用550N/mm2級円形鋼管(降伏強度385N/mm2以上、引張強さ550N/mm2以上、設計基準強度(F値)(*3)385N/mm2)であり、2003年に国内で初めて国土交通大臣認定(*4)を取得しています。同鋼管は、550N/mm2級の高強度でありながら降伏比85%以下、シャルピー吸収エネルギーは0℃で70J以上を保証するなど、耐震性や溶接性にも優れています。また、鋼材強度あたりの経済性(単価/鋼材強度)が建築構造用鋼管の中で最も優れており、鉄骨コストのミニマム化及び環境負荷の低減に貢献します。今回の実証実験により、『P-385』は超高強度CFT用に用途を拡大します。

当社では、耐震性・施工性に優れた建築構造用550N/mm2級鋼材として、円形鋼管『P-385』の他に、厚鋼板の『HBL®385、HBL®385-L』、角形鋼管の『PコラムG385』(株式会社セイケイと共同開発)を商品ラインアップに揃えています。角形鋼管『PコラムG385』の高強度CFTに加え、今回、円形鋼管『P-385』の超高強度CFT柱を実用化したことで、柱に角形鋼管が使用される整形な建物から、円形鋼管が必要となる複雑な形状の建物までCFTの適用範囲を拡大しました。

当社は、今後も、付加価値の高い建築建材商品の開発・適用範囲拡大に努めてまいります。

(*1) CFT Concrete-Filled-Steel-Tubeの略。
(*2) Super-OLAC® 理論限界相当の高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。JFEスチールのナンバーワン先端技術。第49回大河内記念賞受賞。
(*3) 設計基準強度(F値) 構造計算時に使用する鋼材強度。
(*4) 国土交通大臣認定 建築基準法第37条に基づく国土交通大臣認定。

【参考1】P-385の概要

P-385は、従来の490N/mm2級鋼管と比べ、設計規準強度は60N/mm2大きく、靭性を示す指標であるシャルピー吸収エネルギーの保証値(試験温度0℃)も70J以上であるなど、優れた性能を持つ円形鋼管です。

鋼種 降伏強度下限
(N/mm2)
引張強さ下限
(N/mm2)
降伏比*1
(%)
設計規準強度
(F値)
(N/mm2)
シャルピー
吸収エネルギー
0℃ (J)
P-385 385 550 ≦85 385 70
 STKN490B*2  325 490 ≦85 325 27

*1 降伏比=降伏強度/引張強さ
*2 STKN490B:JIS G3475 建築構造用炭素鋼鋼管 (490N/mm2級鋼管)

【参考2】JFEスチールの建築構造用550N/mm2級鋼材

JFEスチールでは建築構造用550N/mm2級鋼材として、円形鋼管『P-385』の他にも、厚板の『HBL®385』、プレスコラムの『PコラムG385』と豊富なラインアップをそろえております。

鋼種 厚板 円形鋼管 プレスコラム
商品名 HBL385 P-385 PコラムG385*

* 『PコラムG385』は株式会社セイケイの商品。JFEスチールの鋼板を使用して製造。

【参考3】CFTの概要

コンクリート充填鋼管(Concrete-Filled-Steel-Tube)は鋼管柱の中にコンクリートを充填した構造であり、鋼管とコンクリートの相乗効果により、優れた構造性能を発揮する構造です。その特徴として、

  • 鋼管とコンクリートの相乗効果により、大きな荷重を負担することができる。
  • 鋼管の働きで地震時のエネルギー吸収量が大きく、粘り強い。
  • 鋼管がコンクリート打設時の型枠となり、施工性がよい。
  • コンクリートの耐火効果により火災に強い。

などが挙げられます。

(コンクリート充填鋼管の概要)
(コンクリート充填鋼管の概要)

【参考4】実証実験の様子

実験場所福山大学(委託研究契約)
実験期間2010年12月~2011年2月

<載荷実験の様子>

載荷実験の様子        軸力曲げ試験(@福山大学)
    軸力曲げ試験(@福山大学)

【参考5】従来のCFT柱との比較

従来のCFT柱との比較

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株)総務部広報室 TEL 03(3597)3166