JFEテクノリサーチ(株)(本社:東京都中央区日本橋2-1-10柳屋ビル、代表取締役:影近博)は、最高圧力70MPa、最高温度250℃で試験を行うことができる高温高圧オートクレーブ試験機を2011年2月に導入いたします。
JFEテクノリサーチ(株)では、油井管の耐食性評価を行うための最高圧力30MPa、最高温度250℃の高温高圧オートクレーブ試験機が既に稼動していますが、一方で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の回収、貯留の方法の一つである、二酸化炭素地中貯留技術や、地中への二酸化炭素の圧入により石油産出量を増加させる技術(CO2インジェクション)が注目されている昨今、より高圧での試験が可能な装置が求められています。
高温高圧オートクレーブ試験としては、原子力関連部材の耐食性評価を目的とした純水中での試験や金属材料の水素脆性評価を目的とした水素ガス雰囲気での試験が知られていますが、このたび導入する試験機では、油井環境を模擬した炭酸ガスや硫化水素ガス雰囲気での耐食性評価を行ないます。硫化水素ガスは通常の数倍レベルの濃度(30%程度)まで常圧で試験槽に飽和させることが可能です。
このタイプの試験機としては国内最高圧力70MPaでの試験が可能です。更に、約10Lの試験槽を備えており、5L以下の通常タイプに比べてより多くの試験片を評価することが出来ます。気相はもちろん、液相での試験も可能で、目的の試験環境を可能な限り再現いたします。
今回導入した高温高圧オートクレーブ試験機により、益々苛酷となる環境に供する耐食性油井鋼管の開発、実油井への油井鋼管の選定評価、昨今脚光を浴びているCCS(CO2の回収、貯留)分野に使用される鋼材の製品開発・評価に応えていきたいと考えています。
| JFEテクノリサーチ(株) | |
| 知多分析・材料事業部 営業・技術部 | |
| 山本 健一 | |
| Tel:0569-24-2880 | Fax:0569-24-2990 |
| URL:http://www.jfe-tec.co.jp/ | |
近年、石油や天然ガスを採掘する油井環境は高温・高圧・高腐食環境下へと厳しさを増しており、使用される油井鋼管、ラインパイプにもCO2やH2Sを含む高温高圧の環境に耐える特性が要求されています。
代表的な腐食環境として、H2Sを含むサワー環境、CO2を含むスウィート環境、CO2中にH2Sが含まれるライトサワー環境が挙げられます。サワー環境下での材料評価はNACE規格(*1)、EFC規格(*2)等により常温常圧下での応力腐食割れ試験として確立されていますが、スウィート環境、ライトサワー環境下で使用される材料については常温での評価試験が規定されていないことから、実際の油井環境を再現しての試験で評価されています。
高温高圧オートクレーブ試験機は、実際の油井環境を再現し主に13%Cr鋼クラス以上の各種耐食性油井鋼管の開発、実油井への油井鋼管の選定評価を目的として使われています。
| (*1) | National Association of Corrosion Engineers |
| (*2) | European Federation of Corrosion Publications |
基本仕様を表1に、装置外観を写真1に、装置の構成を図1に示します。
最高圧力70MPaの耐食性評価が可能な国内初の試験機です。また内容積が9.8リットルと大きく、同時に多くの試験片を評価することができます。
| 型式 | 円筒ルツボ式 |
| 最高温度 | 250℃ |
| 最高圧力 | 70MPa |
| 容器寸法 | 内径160mm x 深さ490mm(内容積:約9.8リットル) |
| 攪拌 | 最大500rpm |
| 試験片 | クーポン試験片、Uベンド、Cリング、 4点曲げ試験片 他 |
写真1 70MPaオートクレーブ試験機の外観
図1 70MPaオートクレーブ試験機の構成