2010年7月30日
  • 川崎市
  • JFE鋼管株式会社
  • JFEスチール株式会社
  • JFEエンジニアリング株式会社

川崎市・JFE共同研究
鋼管杭を利用した地中熱利用空調システムが環境省の環境技術実証事業での承認を受け、ETVマークを取得

川崎市とJFEグループの共同研究事業である「鋼管杭を利用した地中熱利用空調システム」(以下、本システム)が、「平成21年度環境技術実証事業 ヒートアイランド対策技術分野(オフィス、住宅等から発生する人工排熱低減技術)地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム」で環境省より実証試験結果の承認を受け、6月29日 に同省よりETVマーク(実証番号052-0901)を取得しました。

本システムの開発は、JFE鋼管(株)とJFEスチール(株)で基礎的な検討を進め、「平成21年6月に、平成21年度環境技術実証事業※1」として採択されました。そして、「平成21年度 川崎市 環境技術産学公民連携公募型共同研究事業」で取得した冷暖房試験データ(地中採熱量や冷暖房出力など)から環境保全効果を実証※2し、ETVマークの取得に至ったものです。地中熱を利用したヒートアイランド対策技術分野では、 本件がETVマーク取得の第一号になります。

(1)環境技術実証事業(ETV:Environmental Technology Verification)
 環境技術実証事業は、既に適用可能な段階にある先進的環境技術の環境保全効果等を、環境省が選定した実証機関が客観的に実証し、環境技術実証の手法・体制の確立と、環境技術の普及促進、環境保全と環境産業の発展を促進する制度です。実証を行った技術にETVマークが交付されます。
(2)対象技術/鋼管杭を利用した地中熱利用空調システム
 本システムは、一年を通じてほぼ一定※3な地中熱を熱源としたヒートポンプ空調システムです。地中熱は、回転貫入鋼管杭(先端閉塞型)内部に水を充填し、採熱用の熱源水循環配管を装填した地中熱交換器によって、ヒートポンプに取り込みます。
 直接大気に排熱しないため、ヒートアイランド対策に有効で、冷房時の省エネ効果が極めて高いため、特に学校など公共建築に適したシステムです。また、回転貫入鋼管杭を利用した本システムは、他の地中熱利用システム※4の工法より環境負荷が小さいことも特長です。
(3)川崎市の展開
 川崎市は、地球温暖化対策推進条例、地球温暖化対策推進基本計画に基づき、市役所の率先的な取組みとして、公共施設における地中熱を含めた再生可能エネルギー源の優先的な利用を進めています。
 その中で、今回のETV取得により技術的に実証された、本システムを設置している南河原こども文化センターを、現在検討中である次世代エネルギーパークの主要施設のひとつとして位置づけ、環境技術の集積と情報発信を目指しています。また、殿町3丁目地区に計画中の環境総合研究所におきましても、国の新成長戦略の中で『グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略』として、再生可能エネルギーの普及拡大が位置づけられたことを踏まえて、ショーケースとなる最先端の環境配慮技術の導入を計画しており、本システムをはじめとした再生可能エネルギーを用いた環境配慮設備の導入についても検討しているところです。
(4)JFEグループの展開
 JFEグループは、地中熱利用空調システムが都市部のヒートアイランド対策だけではなく、未利用エネルギーを活用したCO排出削減技術として地球規模での環境改善に大きく寄与するものと考えています。そのため、グループ一体となり、素材製造から施工まで更なる商品開発と、普及促進に取り組みます。
 なお、販売は、JFEエンジニアリング(株)が行い、企画・調査・設計・施工からアフターサービスまで一貫したエンジニアリングを提供します。更に、地域冷暖房からビル空調までの豊富なノウハウを活用し、地中熱を取り入れた最適なソリューションを提供します。
 JFEグループは世界最高の技術によって、低炭素社会の構築に役立つさまざまな商品を開発し、社会に貢献してまいります。

環境省 ETVマーク(実証番号052-0901)

  • ※1:実証機関は、特定非営利活動法人(NPO法人)地中熱利用促進協会。
  • ※2:平成20年度から、実証試験を目的に、川崎市 環境技術情報センターの環境技術産学公民連携公募型共同研究事業のスキームで、川崎市 南河原こども文化センターに設備を設置して、省エネルギー効果(冷暖房出力、消費電力)、ヒートアイランド対策効果(大気排熱抑制効果)、地盤への影響などの調査を開始し、冷房時の省エネ効果が40%程度で、地中への影響もないことなどを確認している。
  • ※3:地中熱の温度は、ほぼ年平均気温(川崎では17℃程度)で一定。
  • ※4:ボーリング孔に循環水配管を設置する「ボアホール方式」やPC杭・場所打ち杭方式を指す。
    これらに対し、回転貫入鋼管杭を利用した本方式は、セメントミルクなどを使用しないため地下水を汚染せず、廃土処理の手間もなく、逆回転で引き抜けるため原状回復も容易である。

【参考資料】

地中熱利用空調システムの仕組み(夏期の場合)

地中熱利用空調システムの仕組み(夏期の場合)図

問合わせ先
  川崎市環境局環境技術情報センター 産学公民連携担当 TEL 044(522)3286
  JFE鋼管株式会社 地中熱プロジェクト部 TEL 03(5298)0101
  JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03(3597)3166
  JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報グループ TEL 045(505)8953