当社はこの度、飛躍的に強度を向上させた建築用鋼管杭『JFE-HT570P』を開発し、570N/mm2級鋼管杭としては国内で初めて国土交通大臣認定(*1)を取得しました。
建築構造物の基礎杭に鋼管を用いる場合、引張強さ(*2)が400N/mm2と490N/mm2の鋼管を使用することが一般的です。今回、当社は高強度ラインパイプの製造技術を適用し、国内最大強度となる570N/mm2級鋼管杭『JFE-HT570P』を開発しました。また、2009年10月26日に570N/mm2級鋼管杭としては国内で初めて国土交通大臣認定を取得しました。
『JFE-HT570P』は従来品の490N/mm2級鋼管杭と比較し、杭の設計で使用される基準強度が23%高く、これを使用することでより一層の合理的・経済的な設計が可能となり、490N/mm2級の鋼管杭と比較して鋼材重量を最大20%低減することもできます。さらに、杭の重量とサイズの減により、杭打設工事における重機の小型化、工期の短縮が可能となり、施工コストの削減にも貢献致します。
『JFE-HT570P』は当面、一般打撃杭および中掘り工法への使用が見込まれますが、今後、SC杭(*3)や当社オリジナル工法である『Super KING工法』(*4)と『つばさ杭』(*5)への適用を進めております。
今後、国土交通大臣認定取得により建築分野である高層ビルや大型工場への適用を図り、拡販につなげていく予定です。
なお、『JFE-HT570P』は電縫鋼管(*6)とスパイラル鋼管(*7)があり、製造可能範囲は外径190.7~1200mm、板厚6~16mmです。
当社は、今後とも高強度の建築建材商品の開発に努め、お客様のご要望に応えていきたいと思います。
| *1) | 国土交通大臣認定: 建築基準法第37条に基づく国土交通大臣認定。建築基準法上、建築構造物の設計には指定されたJISなどの規格品又は国土交通大臣認定品を使用することが義務付けられている。 | |
| *2) | 引張強さ: 材料を引張った時にその材料が耐えられる最大の応力。引張り強さ以上の応力を材料に負荷すると、その材料は破断する。 | |
| *3) | SC杭: 外殻鋼管付きコンクリートパイル 【参考④ご参照】 | |
| *4) | 『Super KING工法』: 鋼管杭先端拡大根固め工法 【参考②ご参照】 | |
| *5) | 『つばさ杭』 : 先端翼付き回転貫入鋼管杭 【参考③ご参照】 | |
| *6) | 電縫鋼管 : コイルを円筒形状にロール成型し、高周波電気抵抗溶接法で継目部を溶接する鋼管 | |
| *7) | スパイラル鋼管: コイルをらせん形状にロール成型し、サブマージアーク溶接法で継目部を溶接する鋼管 |
| 種類の記号 | 降伏点 又は0.2%耐力 |
引張強さ | 設計基準強度 (F値) |
| N/mm2 | N/mm2 | N/mm2 | |
| JFE-HT570P | 485以上 675以下 |
570以上 | 400 |
| (参考)SKK490 | 315以上 | 490以上 | 325 |
●鋼管製造の写真(スパイラル鋼管)
![]() |
![]() |
|
| 造管写真 |
スパイラル鋼管の継ぎ目部の溶接写真 外径φ1200mm、板厚16mm(JFE-HT570P) |
●特長
| ① | 鋼管杭の能力をフル活用できる大支持力(杭軸径換算でα=619)を実現しています。 | |
| ② | 大径・長尺(最大施工深度74m)の施工が可能です。 | |
| ③ | 優れた施工性を持ち、地盤により最適な施工法(インサイドボーリング方式、プレボーリング方式)を選択できます。 | |
| ④ | 拡頭構造による合理的な設計(最大径φ1800mm+φ1200mm)が可能です。 | |
| ⑤ | 管内土砂を泥土化して施工するため、非常に低排土で施工が可能です。 | |
| ⑥ | 必要な支持力に応じて根固め球根を築造するため、経済性に優れています。 |
●先端部の構造
外観にはスパイラル状の突起(平鋼または鉄筋)、内側には支圧リング(鉄筋)が巻かれており、拡大根固め球根(杭径の2倍まで)と一体化します。

●拡頭部の構造
12枚の平行四辺形リブより、一般部と拡頭部の鋼管を接続します。最大で杭径の1.5倍の拡頭が可能となっています。

●特長
| ① | 回転貫入による完全無排土施工(残土処理が不要)を実現しました。 | |
| ② | 先端翼(杭径の最大2.5倍)を活用した大支持力が可能です。 | |
| ③ | セメントミルクを使用しないため、地下水汚染が発生しません。また被圧水層でも施工可能です。 | |
| ④ | 逆回転による引き抜きが可能であり、仮設構造物にも適します。 | |
| ⑤ | 拡頭構造(杭径の最大1.6倍)による合理的な設計が可能です。 | |
| ⑥ | 鋼管内部が空洞であり、内部空間の利用が可能です。 |
●杭の構造
杭先端に2枚の半円形鋼板翼が交差させて取り付けられた構造です。先端翼が回転時には推進力となり、施工完了後には大きな支持力を発現させます。 拡頭杭は、拡頭部と円径の円盤によって径の異なる鋼管を接続する、非常にシンプルな構造です。
■ 通常タイプ

■ 拡頭タイプ

●施工機械
比較的小径の場合は3点式杭打ち機を、大径の場合は全周回転機を用います。
![]() |
![]() |
|
| 3点式杭打ち機(φ318.5~φ600) | 全周回転機(φ508~φ1200) |

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166