2009年11月11日
  • JFEスチール株式会社

環境に優しい「つばさ杭」開端タイプが鉄道基礎に連続採用~無廃土・低騒音・低振動・地下水層への施工性が評価され、北陸新幹線向けにさらに受注~

JFEスチールの先端翼付き回転貫入鋼管杭「つばさ杭」開端タイプが、北陸新幹線建設工事の高架橋基礎に連続で採用されました。

「つばさ杭」開端タイプは2009年1月、同新幹線の富山水橋下砂子坂高架橋工事(*案件1)で鉄道基礎用として初めて採用頂きました。これは環境面での特徴である無排土・低騒音・低振動に加え、高支持力性能を有している点、および地下水層への施工性をご評価頂いたことによります。「つばさ杭」は根固めのセメント系材料を使用せずに回転貫入が可能であり、被圧された地下水層や井戸水が利用されるエリアでは特に高い施工性を発揮致します。

実際、水橋下砂子坂の工事において「つばさ杭」開端タイプは、硬質地盤中においても貫入性能を損なわず、すべての杭を無事に支持地盤層まで打設完了することができました。お客様より、この実績を高くご評価頂いた結果、今回、富山水橋田伏高架橋工事(*案件2)、高岡蔵野町高架橋工事(*案件3)へもご採用頂きました。

当社は今後も環境に優しく施工性、経済性にも優れる「つばさ杭」の用途拡大をはかります。

(*案件1) 北陸新幹線、富山水橋下砂子坂高架橋工事(杭工事完了)
・施主 鉄道・運輸機構 北陸新幹線第二建設局
・元請 竹中土木・名工・梅本特定建設工事共同企業体
・杭径 φ1,300mm
・受注数量 1,600t
(*案件2) 北陸新幹線、富山水橋田伏高架橋工事(今回受注)
・施主 鉄道・運輸機構 北陸新幹線第二建設局
・元請 田伏高架橋下部工事 西松・大日本・射水建設特定建設工事共同企業体
・杭径 φ1,200~1,300mm
・受注数量 3,800t
(*案件3) 北陸新幹線、高岡蔵野町高架橋工事(今回受注)
・施主 鉄道・運輸機構 北陸新幹線第二建設局
・元請 東亜・株木・道路技術サービス特定建設工事共同企業体
・杭径 φ1,000~1,300mm
・受注数量 1,800t

【つばさ杭 ご参考資料】

<特徴>
つばさ杭は、1998年9月に建設大臣認定を取得し、翌年、建築分野へ販売を開始しました。当時、つばさ杭は鋼管杭先端部に閉端翼形状(閉端タイプ【写真-1】)を有し杭本体を回転貫入させる、従来に無い画期的な工法であり、回転杭工法の先駆けとなりました。
 つばさ杭の特長は、低騒音・低振動、且つ無排土施工が可能であり、高支持力性能を有しています。これにより従来の既成杭工法と比較して、残土処理が不要および杭本数の低減が図れる等、販売当初から「環境対策」「建設コストの縮減」が命題であった顧客ニーズに答え、着実に実績を上げることができました。
 2001年5月に、閉端タイプの建設技術審査証明を取得し、土木分野への進出を行いました。

鉄道分野においては、当分野における支持力特性が未評価である事と、従来の閉端タイプでは大径杭の領域で施工性能に課題を残し、採用されておりませんでした。そこで開端タイプを開発することで、この課題を克服し、2008年8月に財団法人鉄道総合技術研究所の支持力評価を取得した後、鉄道分野への進出を果たしました。

開端タイプの形状は、ドーナッツ状の半円平鋼板2枚を翼端部付近で角度を持って交差させることにより翼中央部に開口を設けた形【写真-2】を有し、回転貫入時は土を管内に取り込める工夫がなされています。これにより、硬質地盤への貫入性も格段に改善し、特に杭径φ1000mmを超える大径杭の領域で施工性能を大幅に向上させることができました。 また、杭先端翼の加工を容易とした形状にすることで製造コストを抑え、経済的な優位性をあわせ持ちます。

つばさ杭先端形状
写真-1 閉端タイプ写真-2 開端タイプ
(現場施工写真) 富山水橋下砂子坂高架橋工事

◆つばさ杭年表

1998年9月 (建築分野) 閉端杭の建設大臣認定を取得。翌年、建築分野へ販売開始。
2001年5月 (土木分野) 閉端杭の建設技術審査証明を取得し土木分野へ進出。
2008年8月 (鉄道分野) 開端・閉端杭の支持力評価を取得し鉄道分野へ進出。

◆技術ポイント

①先端翼を利用した回転貫入による環境に優しい工法
低騒音、低振動での施工が可能。騒音測定結果を図-1、騒音測定結果を図-2に示します

図-1騒音測定結果
図-2 振動測定結果
  • 無排土施工が可能。残土仮置場、および残土処理が不要
  • 根固め液等のセメント系材料を使用しないため、地下水層への直接打設が可能

②先端翼による大きな押込み支持力・引抜き抵抗を期待した設計が可能。
③確実な打ち止め管理(容易な支持層到達の確認)が可能

◆施工方法

施工方法は、小径杭と大径杭に大別され、それぞれ三点式杭打機、全周回転機を用いて施工する。三点式杭打機は杭径φ318.5~φ600まで対応、全周回転機は、φ500~φ1600まで対応可能。

【施工フロー図】
・三点式杭打機による施工フロー(φ318.5~φ600まで対応)
・全周回転機による施工フロー(φ500~φ1600まで対応)

◆施工実績 (09年5月現在)

施工件数:428件、 施工延長: 598km、 鋼材重量:84,000t

◆利用分野

・建築基礎・・・ 官公庁舎,教育施設(学校校舎,屋内運動場),特別養護施設,民間建築(マンション他)
・土木基礎・・・ 高架橋,歩道橋(ペデストリアンデッキ),橋梁基礎,プラント設備基礎
・鉄道基礎・・・ 高架橋,保守点検設備基礎

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166