2009年8月20日
  • JFEスチール株式会社
  • 株式会社セイケイ

550N/mm2級冷間プレス成形角形鋼管を用いたコンクリート充填鋼管の実大実証実験を実施
~建築構造用高強度角形鋼管『PコラムG385』の用途拡大へ~

JFEスチール株式会社と株式会社セイケイは、高強度と優れた溶接性・靭性を両立させた建築構造用550N/mm2 級冷間プレス成形角形鋼管『PコラムG385』について、コンクリート充填鋼管(CFT)1)への適用を目的とした実大規模での実証実験を実施・完了しました。

近年、建築構造物において、経済設計の観点から、鋼管内にコンクリートを充填し、コンクリートと鋼の相乗効果を期待したCFT柱を採用する事例が増加しています。これまでCFT柱として適用される鋼管は主として490N/mm2級の強度のものでしたが、今回、国内で初めて550N/mm2級の鋼管を用いた実大規模での実証実験を完了させ、その使用方法を確立しました。また、関連データを設計用技術資料としてまとめ、使用の利便性を向上させました。これにより同じ標準構造で490N/mm2級の強度の鋼管を使用した場合と比較して鋼管径を最大で約1割低減し、柱断面の縮小による利用空間の拡大を可能にしました。今後、高層ビルや大型工場などへの適用を提案していきます。

『PコラムG385』は、株式会社セイケイにて2004年に国土交通大臣認定2)を取得しており、JFEスチールのナンバーワン先端技術を用いたオンライン加速冷却装置Super -OLAC3)を活用して製造する厚鋼板をセイケイの優れたプレス技術・溶接技術で加工した冷間プレス成形角形鋼管です。550N/mm2級以上の強度のコラムでありながら優れた溶接性・靭性を有しています。降伏強度下限値385N/mm2、引張強さ下限値550N/mm2、設計基準強度(F値)4)385N/mm2と高強度であると同時に、降伏比80%以下および平板部でのシャルピー吸収エネルギーは0℃で70J以上を保証するなど、耐震性にも優れています。なお、『PコラムG385』は、これまでに製品として約4,500トン製造・出荷しております。

また、JFEスチールでは耐震性・施工性に優れた建築構造用550N/mm2級鋼材として、『PコラムG385』の他に、厚鋼板の『HBL385』、円形鋼管の『P-385』と豊富な商品ラインアップを揃え、ご好評いただいております。

JFEスチール株式会社と株式会社セイケイでは、今後ともお客様のご要望に幅広くお応えすべく、付加価値の高い建築建材商品の開発・適用範囲拡大に努めてまいります。

1) CFT Concrete-Filled-Steel-Tubeの略。
2) 国土交通大臣認定 建築基準法第37条に基づく国土交通大臣認定。
3) Super -OLAC 理論限界相当の高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。JFEスチールのナンバーワン先端技術。第49回大河内記念賞受賞。
4) 設計基準強度(F値) 構造計算時に使用する鋼材強度。

【参考1】PコラムG385の概要

PコラムG385は、従来の490N/mm2級鋼管と比べ、設計規準強度は60N/mm2大きく、靭性を示す指標であるシャルピー吸収エネルギーの保証値(試験温度0℃)も70J以上であるなど、優れた性能を持つ鋼管です。

鋼種 降伏強度下限
(N/mm2)
引張強さ下限
(N/mm2)
降伏比*2
(%)
設計規準強度(F値)
(N/mm2)
シャルピー
吸収エネルギー(J)
G385 385 550 ≦80 385 70
BCP325*1 325 490 ≦80 325 27

*1 降伏比=降伏強度/引張強さ
*2 BCP325:従来の490N/mm2級鋼管(冷間プレス成形角形鋼管)の規格名称

【参考2】JFEスチールの建築構造用550N/mm2級鋼材

JFEスチールでは建築構造用550N/mm2級鋼材として、厚板の『HBL385』、円形鋼管の『P-385』、プレスコラムの『PコラムG385』と豊富なラインアップをそろえております。

鋼種 厚板 円形鋼管 プレスコラム
商品名 HBL385 P-385 PコラムG385*

* PコラムG385は株式会社セイケイの商品。JFEスチールの鋼板を使用して製造。

【参考3】CFTの概要

コンクリート充填鋼管(Concrete Filled Steel Tube)は鋼管柱の中にコンクリートを充填した構造であり、鋼管とコンクリートの相乗効果により,優れた構造性能を発揮する構造です。その特徴として、

  • 鋼管とコンクリートの相乗効果により、大きな荷重を負担することができる。
  • 鋼管の働きで地震時のエネルギー吸収量が大きく、粘り強い。
  • 鋼管がコンクリート打設時の型枠となり、施工性がよい。
  • コンクリートの耐火効果により火災に強い。

などが挙げられます。

(コンクリート充填鋼管の概要)
(コンクリート充填鋼管の概要)

【参考4】実証実験の様子

実験場所 JFEスチール(株)スチール研究所 長沼試験所/福山大学
実験期間 2008年3月/2008年9月~10月

1.コンクリート打設の様子

コンクリート打設の様子

2.載荷実験の様子

3点曲げ試験(@スチール研究所 長沼試験所)
3点曲げ試験(@スチール研究所 長沼試験所)
軸力曲げ試験(@福山大学)
軸力曲げ試験(@福山大学)

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール株式会社 総務部広報室 TEL 03 (3597) 3166
株式会社セイケイ 東京支店開発部 TEL 03 (3836) 9531