当社はこのたび、機械構造用炭素鋼S35C・S45Cの熱延鋼板として、優れた加工性を兼ね備える「スーパーホット-F(F:Formable)」の開発に成功いたしました。
「スーパーホット-F」は当社商品「スーパーホット」と同様に、熱延鋼板でありながら冷延鋼板に匹敵する板厚精度(板厚4mm未満では厚さ許容差±80µm以下)を達成しています(図1)。また、従来の熱延鋼板でみられた赤スケール模様※1と呼ばれる表面荒れを最小限に抑制し、美麗な表面性状を実現しています。
これらの特長に加えて、熱間圧延工程において、精度の高い急速冷却および温度制御技術を適用することにより、鋼板のミクロ組織を一段と均一微細化した上で(図2)、焼鈍を施す事により、従来に比べ加工性を飛躍的に向上させました。その結果、従来のS35C・S45Cと比較して、破断伸びは約10%、穴拡げ率※2は約30%増加し、引張強さが440MPa級である普通鋼熱延鋼板と同等の加工性を実現いたしました(図3)。同時に、良好な打抜性や焼入性も確保しており、幅広い用途に適用することが可能です。
「スーパーホット-F」を個別に成形し接合している複雑な形状の複合部品に適用することによって、板金一体成形化による、溶接工程の省略が可能になります。また、自動車部品をはじめとする軸受部や円周フランジ部の成形加工が必要な機械部品の回転成形用素材としても適しています。このような一体化や余肉の削減により、部品の軽量化が可能となり、部品の製造コスト低減だけでなく、CO2排出量削減にも寄与します。
「スーパーホット-F」の現状での製造可能板厚は2.6~6.0mmですが、当社では板厚範囲のさらなる拡大を図り、幅広いお客様のニーズに応えてまいります。
| ※1赤スケール模様 | : | 熱間圧延後の鋼板表面に生成した赤みを帯びた酸化被膜およびそれを酸洗除去した後に残る痕跡のこと。Fe-Si系複合酸化物の生成に起因するもので、微小な凹凸を伴い、外観上も目立つことから、用途によっては忌避されます。 |
| ※2穴拡げ率 | : | 伸びフランジ成形性やバーリング加工性の指標となる特性値。一般的には、試験片にあけた円形の打抜穴をポンチ(金型)で押し拡げたときに、穴の縁に発生する亀裂が少なくとも一箇所で厚さ方向に貫通するまでの穴径の拡大量の初期穴径に対する比率で定義されます。 |



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