第6回(平成20年度)新機械振興賞 経済産業大臣賞を受賞
~厚板オンライン熱処理設備(HOP)~
当社はこの度、「厚板オンライン熱処理設備(HOP)」について、財団法人機械振興協会から「第6回新機械振興賞」の最優秀賞となる“経済産業大臣賞”を受賞しました。今回の受賞は、世界初の厚板オンライン熱処理を実現した“HOP”の独創性、革新性、経済性が高く評価されたものであり、新機械振興賞の“経済産業大臣賞”は当社としては勿論、鉄鋼業界としても初めての受賞となります。昨日、東京プリンスホテル(東京都港区)で表彰式が行われ、当社社長の馬田一が出席しました。
1.受賞技術の概要
- (1)件名:
- 厚板オンライン熱処理設備(HOP、Heat-treatment On-line Process)
- (2)技術概要と受賞理由:
- 本設備は、世界で初めて厚板の圧延ライン上で連続(オンライン)熱処理を可能にしたものです。これは、①ライン上を走行する厚板を能率的に加熱するための、大規模誘導加熱電源の開発、②厚板が誘導加熱機を複数回往復するリバース搬送加熱運転コンセプトの考案、③鋼板表面温度を精密に管理(プラスマイナス10℃単位で)する制御技術の開発により実現しました。オンライン熱処理により、厚板の製造工期が飛躍的に短縮(10日間短縮)し、供給能力も大幅に向上しました。
また、HOPをオンライン加速冷却設備のSuper-OLAC(注1)と併用することにより、冷却と加熱が自由自在に、かつ連続して付与することができるようになりました(注2)。この結果、新しいオンライン材質制御性技術が確立でき、「局部座屈性能に優れたラインパイプ用UOE鋼管JFE-HIPER(注3)」や「超高強度厚板ハイテンJFE-HYD960LE、JFE-HYD1100LE(注4)」などの画期的な独自商品を開発しました。

- HOPは厚板製造プロセスにおけるエネルギー消費量を減少させ、また、製造された高強度鋼の適用による最終製品の軽量化も可能となり、CO2排出量の削減にも寄与します。
- (注1)Super-OLAC(On-Line Accelerated Cooling):
- 高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。JFEスチールのナンバーワン先端技術。第49回大河内記念技術賞受賞(2003年3月)。
- (注2)厚板製造プロセスにおける冷却、加熱処理:
- 材料の持つ粘り、引っ張り強度、曲げ強度を向上させるために、厚板製造プロセスで冷却(焼入れ)、加熱(焼戻し)を行う。
- (注3)JFE-HIPER:
- 局部座屈性能に優れたラインパイプ用UOE鋼管。軸方向に大きな力を受けた際や曲げを受けたときに生じる局部的なしわ状の変形に対する抵抗の強い鋼管。長距離パイプラインに使用。第34回岩谷直治記念賞受賞(2008年3月)。
- (注4)JFE-HYD960LE、JFE-HYD1100LE(HYD:High Yield Strength Steel、LE:Leading-Edge(最先端))
- 建産機械用の高強度鋼板。第31回日本金属学会技術開発賞受賞(2008年9月)。
2.受賞者
当社 代表取締役社長 馬田 一
3.表彰式
(1)日時:2009年1月19日(月)15:00
(2)場所:東京プリンスホテル
当社は今後も独自の設備・技術・商品の開発を通し、お客様の高度化する様々なご要望にきめ細かくお答えしてまいります。
- <参考>新機械振興賞:
- 財団法人機械振興協会(会長 豊田章一郎・トヨタ自動車取締役名誉会長)の主催。
独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善又は生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者を表彰対象とする。その中で特に優秀な開発には経済産業大臣賞及び中小企業長官賞が授与される。

賞状授与(左:馬田一 JFEスチール社長、右:細野哲弘 経済産業省製造産業局長)

受賞者代表謝意(左:馬田一 JFEスチール社長(受賞者代表)、右:豊田章一郎 機械振興協会会長)