2008年11月17日
  • JFEスチール株式会社

980MPa級電縫鋼管が自動車骨格構造部材に世界初採用~高加工性980MPa級冷延ウルトラハイテンと低歪造管技術により達成~

当社開発の980MPa級電縫鋼管が、本田技研工業株式会社から本年10月より販売されている新型「オデッセイ」のフロントピラー用リンフォースメント(図1)の材料として採用されました。従来、フロントピラー用リンフォースメントは薄板の曲げ加工により成形されていましたが、パイプ特有の閉断面構造を活用することでリンフォースメントの小断面化が可能となり、断面積が減少したことで、運転視界の大幅な向上が達成されました(図2)。

980MPa級以上の高強度電縫鋼管の自動車部品へのこれまでの適用例としては、直管形状で使用されるドアインパクトビームや比較的軽度な曲げ加工主体に成形されるバンパー用リンフォースメントなど、車両本体への付属部品に限られており、自動車の車両本体の骨格部材として適用されるのは、世界初となります。

車両本体の骨格部材であるフロントピラー用リンフォースメントは、予備曲げ加工に加えてハイドロフォーム加工を行うことで造り上げられるため、極めて高い加工性が要求されます。そこで、水冷却(WQ)方式連続焼鈍プロセス(JFE-CAL)(*1)によって生産された高い延性を有する980MPa級冷延鋼板を素材とし、さらに、ロールフォーミング工程での加工歪みによる素材の延性劣化を最小限とするために、低歪み造管技術であるCBR成形(Chance free Bulge Roll forming)ミル(*2)を活用することで、本強度レベルとしては極めて高い加工性を有する980MPa級電縫鋼管の開発に成功しました。

当社は引き続き、お客様と一体となった素材開発と成形加工技術開発を進めることで高強度鋼管の適用拡大を図り、お客様の自動車軽量化のニーズに対応して参ります。

図1:フロントピラー用リンフォースメントの外観写真

図1:フロントピラー用リンフォースメントの外観写真

図2:フロントピラー断面比較図およびドライバー斜め前方視界
矢印

図2:フロントピラー断面比較図およびドライバー斜め前方視界

(*1)水冷却(WQ)方式連続焼鈍プロセス(JFE-CAL)
当社独自のWQ方式連続焼鈍プロセス(WQ-CAL、WQ:水焼入+焼戻し)を活用した低合金成分設計と金属組織制御により、キャビン周りのボディー構造部品に適用して、衝突安全性と軽量化の飛躍的向上を図ることが可能な、優れた成形性、溶接性および材質安定性を有するTS780–1310MPa(TS:引張強さ)級超高強度鋼板を製造しています。
http://www.jfe-steel.co.jp/products/car/products/sheets/WQhiten/index.html
(*2)CBR(Chance free Bulge Rolling)成形ミル
当社独自の張出し成形曲げ方式とケージロール方式を採用した電縫鋼管成形ミルです。張出し成形曲げ方式は、管円周方向の所定箇所を一旦オーバーベンドした後に所要の管半径に曲げ戻す方法で、スプリングバックを抑え突合せ形状が良好になりやすく電縫溶接品質が向上すると同時に、フィンパス成形時の周長絞りを少なくすることができます。ケージロール方式は、成形中の帯板のエッジ部を小ピッチで連続的に拘束しながら成形する方法で、薄肉材で発生しやすいエッジウエーブを防止するとともに付加的ひずみを減少させ、薄肉管の安定成形と造管時の材料の加工硬化が従来よりも小さくできます。
http://www.jfe-steel.co.jp/products/car/products/pipe/hitenERW/index.html

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3166