2008年11月5日
  • JFEスチール株式会社

HOP適用によるDQ-T型高張力鋼板、
中国ボイラー圧力容器標準化技術委員会の材料承認を取得~中国・石炭液化プロジェクトのLPG用球形ガスタンク向けに世界で初めて採用~

当社は、加速冷却設備Super-OLAC(注1)による直接焼入れ熱処理(DQ)とオンライン熱処理設備HOP(注2)による焼戻し熱処理(T)を組み合わせて適用することにより熱処理の完全オンライン化を可能にしたDQ-T型圧力容器用60キロ級高張力鋼板『JFE-HITEN610U2』にて、中国ボイラー圧力容器標準化技術委員会から材料承認を取得(注3)いたしました。本製品は、本年7月にLPGタンク(容量3,000m3)向けに製造、出荷しており、現地加工工場での球形タンク向けプレス加工、マンホール等の溶接加工において、その優れた溶接性・加工性が確認されています。当社独自のHOPを適用したDQ-T型高性能高張力鋼板は、オンライン製造のため短期・大量納入が可能であり、今後、国内およびアジア諸国において、高い安全性を要求される圧力容器用としての採用も本格化するものと期待されます。

『JFE-HITEN610U2』は、1996年に日本溶接協会規格WES3001「溶接用高張力鋼板」、WES3009「溶接割れ感受性の低い高張力鋼板の特性」の鋼種認定、2002年に中国ボイラー圧力容器標準化技術委員会の材料認定を取得しており、その優れた溶接性と加工性により圧力容器用鋼板として広く用いられています。この度、中国ボイラー圧力容器標準化技術委員会の材料認定の定期更新にあたり、従来承認を得ていたDQ(直接焼入れ、Direct Quenching)-T(Tempering)プロセスに、オンライン熱処理設備HOPの適用を追加申請し、材料の溶接性・加工性、HOP設備の操業安定性の評価を経て、2008年5月に承認を取得しました。

高冷却速度・高温度精度の加速冷却設備Super-OLACによる直接焼入れ熱処理(DQ)は、マイクロアロイング技術(注4)と組み合わせることにより低成分化を図りPCM0.20%以下を達成、高い溶接性と加工性を実現しています。さらにオンライン熱処理設備HOPを適用し、従来オフラインの熱処理設備で行われていた焼戻し熱処理をオンライン処理することにより、焼入れ-焼戻し熱処理の完全オンライン化を実現しています。熱処理プロセスのオンライン化により、製造工期の短縮、熱処理能力の拡大が可能となります。なお、HOPを適用した鋼材は、建設機械用高張力鋼板、原油タンク用高張力鋼板、ラインパイプ用高張力鋼板向けに、約42万トン採用されています。

当社では今後も、高級鋼材のオンライン製造により、高性能、短期・大量納入といったお客様のご要望に応えてまいります。

 

(注1)Super-OLAC(On-Line Accelerated Cooling):
理論限界相当の高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。JFEスチールのナンバーワン先端技術であり、東日本製鉄所(京浜地区)、西日本製鉄所(倉敷地区)、同(福山地区)の3地区全ての厚板工場に導入済。第49回大河内記念技術賞受賞。
(注2)HOP(Heat treatment On-line Process):
2003年に西日本製鉄所(福山地区)厚板工場に世界で始めて稼動した、高効率誘導加熱方式によるオンライン熱処理設備。圧延後、Super-OLACにより加速冷却された鋼板を加熱熱処理することが出来ます。

<HOPの配置図>
HOPの配置図
(注3)今回の中国ボイラー圧力容器標準化技術委員会の認定内容:
・商品名  :JFE-HITEN610U2
・生産工場:東日本製鉄所(京浜地区)、西日本製鉄所(倉敷地区、福山地区)
・製造プロセス:DQ-T (板厚:12-60mm)
HOP適用範囲 (板厚:12-40mm)
・使用温度: -20℃~100℃
(注4)マイクロアロイング技術:
微量の合金元素を用いて鋼材の特性を制御する技術です。鋼材の製造方法、製造条件と合わせて制御することで、鋼材に要求される特性に対応した最適な成分設計を可能とすることができます。

以 上

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3166