2008年2月6日
  • JFEスチール株式会社

第54回(平成19年度)大河内記念技術賞を受賞~家電用高機能クロメートフリー鋼板の開発と量産化~

当社の専務執行役員・スチール研究所長影近博を代表とする研究グループが、(財)大河内記念会(理事長:吉川弘之 産業技術研究所理事長)より、「高機能クロメートフリー被覆鋼板の開発と量産化」のテーマで、第54回(平成19年度)大河内記念技術賞を受賞いたしました。贈呈式は、3月11日に日本工業倶楽部(東京・千代田区)にて行なわれます。

1.受賞理由

今回の受賞は、家電・OA機器用途に最適な高機能クロメートフリー被覆鋼板を世界で初めて開発し、量産技術を確立した結果、鉄鋼製品において環境負荷物質を削減した環境調和商品の先駆け技術となっただけでなく、本鋼板を使用する顧客である家電・OA機器産業での環境経営や国際競争力強化にも大きく貢献した点が高く評価されたものです。

2.開発の経緯

家電製品やOA機器に使用する亜鉛めっき鋼板では、亜鉛の腐食抑制のために6価クロムを含むクロメート被覆鋼板が、従来幅広く使用されてきました。6価クロムは、有害物質であるため、近年、環境保全のための規制が導入されています。欧州では6価クロムを使用した電気電子機器の販売を禁止するEU規制(RoHS指令)が施行され、国内産業界でもグリーン調達制度が導入されています。
 クロメートフリー(6価クロムを含有しない)鋼板は1970年代から研究されてきましたが、耐食性を確保するために皮膜の膜厚を厚くせざるを得ず、家電・OA機器用途に必要とされる導電性と耐食性の両立は、本商品によって初めて実現しました。

3.開発内容

当社では、薄膜でありながら高度の耐食性を発揮させるため、

腐食の原因となる酸素の透過抑制に着目した高バリア性特殊有機樹脂を新規開発しました。
皮膜損傷部において自発的に保護皮膜を形成する、自己補修性発現無機化合物も新規開発しました。

 これらを複合化した有機無機複合皮膜により、世界で初めて極薄膜での耐食性付与に成功しました。また、耐食性と相反する特性である導電性との両立をも実現しました。

今回受賞対象となったクロメートフリー鋼板「エコフロンティアシリーズ」の主力商品である『JFEエクセルジンクJN』は、1998年に実機生産を開始し、近年では電磁波シールドの観点から極めて高度な導電性が要求される薄型TV等のデジタル家電での採用が拡大しており、当社の家電・OA機器分野におけるナンバーワン商品と位置づけられています。近年、国内外で需要が急増しており、2007年10月には西日本製鉄所(福山地区)の第5電気亜鉛めっきライン(No.5EGL)にコーティング設備を新設し、供給体制を拡充いたしました。

当社は今後とも地球環境に優しく、お客様の様々なニーズにお応えできる環境調和商品を提供して参ります。

従来のクロメート処理鋼板の防食メカニズム

従来のクロメート処理鋼板の防食メカニズム

JFEエクセルジンク JNの開発

JFEエクセルジンク JNの開発

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL 03(3597)3166