2007年6月12日
  • JFEテクノリサーチ株式会社

パネルの歪みをその場でパタン化!面歪パタン測定装置SurfTRiDYを開発・商品化

  • だれでも,どこでも! パネルの歪みの状況をその場でパタンとして測定・表示。
  • 測定した面歪パタンは数値情報として電子ファイルに保存。
  • 別の時刻に別の場所で製造したサンプル間で面歪量を定量的に比較、面歪トレーサビリティの確立へ。
  • 自動車,プラスチック,ガラス,フィルム,建材,塗装分野の商品開発・生産管理・品質保証に。

■ 概要

JFEテクノリサーチ(株)(本社:東京都中央区日本橋2-1-10柳屋ビル,代表取締役:藤井徹也)は、鋼板・ガラス・プラスチックなどのパネルの製造・成形・加工時に発生する歪みを、その場で短時間のうちに測定しパタン化して表示する面歪パタン測定装置「SurfTRiDY 」を、JFEスチール(株)スチール研究所と共同で開発し、販売を開始しました。

自動車外板用の薄鋼板は、金型を用いたプレス加工時に、たとえばドアノブ部など強い成形を施す部位の近傍で、スプリングバックにより「面歪」と称する歪みが生じます。従来、面歪の評価は、蛍光灯や縞状パタンを鋼板の表面に映しこんだ時のパタンのゆがみ(ゼブラパタン)を目視で観察する官能評価が行われていました。JFEスチール(株)では、自動車軽量化の一環として外板用高張力鋼板の開発を推進しており、鋼板のプレス成形時の面歪量を迅速かつ定量的に評価ができる「面歪計」に対する強いニーズがありました。今回、ゼブラパタン観察にJFEテクノリサーチ(株)独自の縞パタン画像解析法である「TRiDY法」を適用することにより、鋼板の面歪を迅速・簡便にかつ定量的にパタンとして測定する技術(特許出願中)の開発に成功したものです。

SurfTRiDY 」は、汎用プロジェクタとテレビカメラとパソコンとから構成されています。スクリーン上に投影したパタンの反射画像をテレビカメラで撮影してパソコンに取り込み、画像解析して面歪パタンに変換することができます。測定できる対象は、スクリーンに投影したストライプパタンの鏡像が観察できるよう、その表面が滑らかであることが必要です。

本技術は、鋼板のプレス成形部品に限らず、プラスチック・ガラス・フィルム・建材など、表面の歪みが品質として評価されるさまざまなパネル状の対象への適用が幅広く可能です。これまで現物で直接評価せざるを得なかった面歪が、数値情報として電子ファイルで保存できます。過去に製造した製品との比較や、別の場所で製造した製品との比較など、面歪品質のトレーサビリティの確立に寄与します。

今回販売を開始した「SurfTRiDY - kit」は、基本パーツ(テレビカメラ,プロジェクタ,パソコン)とソフトウェアで構成された装置で、測定場所まで持ち運んで、その場で組み立てて測定することができます。おもに試験・開発用に使用することを目的としていますが、生産現場での製品の歪評価・検査にも活用することが可能です。

装置の製作・販売はJFEテクノリサーチ(株)が行い、販売価格は900万円/セット。今回発表したのは「SurfTRiDY - kit」1機種ですが、今後は、プロジェクタとスクリーンの替わりにフラットパネルディスプレイを用いた、よりコンパクトな構成の装置など、現場での測定ニーズに合わせた仕様の装置を、「SurfTRiDY 」シリーズとして開発・市場投入していく予定です。

■ 詳細

  1. 測定原理(図1参照):鏡面性の対象の表面に映り込んだスクリーン上の縞の鏡像を観察すると、表面の歪みに応じて縞がゆがんで見えます(ゼブラパタン観察)。ゆがみ量は歪み形状のgradient(面の傾き量)に関係します。対象表面のあらゆる点でスクリーン上の対応点の座標を求めて縞のゆがみ量を定量化し、歪みパタンを測定します。
  2. 測定方式(図2参照):スクリーン上に「周期の異なるストライプパタン」と「移動するマルチスリットパタン」とを順に投影し、測定対象面に映った鏡像をTVカメラで観察します。これらの画像を独自の方式(TRiDY法)で解析し、傾き量(gradient)のパタンに変換します。さらにこれを微分して曲率のパタンを求めます。

  3. (※) TRiDY法 : JFEテクノリサーチ(株)製3次元曲面形状計測装置TRiDYで用いられている縞パタン画像解析法です。TRiDYでは、人体などの測定対象表面に直接「周期の異なるストライプパタン」と「移動するマルチスリットパタン」とを順に投影します。テレビカメラを用いて、対象の凹凸に起因する投影パタンの歪みを撮影し、これを画像処理して形状を求めます。マルチスリットパタンの画像処理に「イメージエンコード法」(空間コード化法の一種)を用いることにより「高速」「高信頼性」測定を実現するとともに、2種の投影パタンの併用により「高精度」「絶対値」測定を実現しています(TRiDY法)。SurfTRiDYでは、測定光学系の構成として、パタンを測定対象に直接投影する替わりに、一旦スクリーンに投影したパタンの鏡像を観察する点が3次元曲面形状計測装置TRiDYとは異なりますが、撮影した一連の画像の処理については、同じTRiDY法を用いています。
  4. 性能と特長(図3参照)
    ◆高速測定撮影時間 3~10秒,面歪演算時間 約2秒
    ◆高感度測定1mradの面の傾きの変化(1mあたり1mmの傾き)を検知
    ◆定量・パタン測定測定対象表面全面に亘って面歪量の分布を数値化
    ◆環境・対象依存性小黒い鏡面の対象でも可,測定の際に部屋を真暗にする必要なし
    ◆軽量・コンパクトキャスター付トランクに収納,ひとりで運搬し現地で組立てて測定可能
    ◆簡便な操作測定からデータ表示・保存までノートパソコン1台で操作可能
    ◆豊富な表示・出力カラーマップ・CG鳥瞰図表示,CSVデータ保存(Excelで操作可能)
  5. 用途 : 鏡面あるいは半鏡面の対象の表面の歪みの観察・記録・評価・検査
    -対象例- プレスパネル,塗装パネル,ガラス,プラスチック,フィルムなど


図1 ゼブラパタン観察光学系
図1 ゼブラパタン観察光学系


図2 面歪パタンの画像処理例

図2 面歪パタンの画像処理例



図3 測定例:鋼板プレス試験サンプル

本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEテクノリサーチ(株)計測システム事業部
TEL:044(322)6273
FAX:044(322)6729
URL:http://www.jfe-tec.co.jp