2007年2月19日
  • JFEスチール株式会社

新チタン合金 「SP-700HM」を開発
~2008年SLEルール適合ゴルフクラブに最適の素材~

 当社はこの度、新チタン合金「SP-700HM(注1)」を開発いたしました。「SP-700HM」は、すでに航空機、ゴルフクラブ、モータースポーツ分野において実績のある高強度・高加工性チタン合金「SP-700」の優れた特性を受け継ぐとともに、独自の製法により弾性率(注2)を高めた新チタン合金であり、SLEルール(注3)適合ゴルフクラブの製造に最適な素材です。

 当社のチタン事業は1985年の純チタン製品製造開始以来、チタンクラッド鋼板(注4)、チタン合金と順調にラインナップを増し、1990年には、画期的チタン合金「SP-700」の独自開発に成功いたしました。今日では、純チタン厚板で国内トップシェアを占め、圧延による製法では世界唯一であるチタンクラッド厚鋼板や、従来のチタン合金の欠点を改善したオンリーワン商品「SP-700」で国内外のお客様から高い評価を頂いております。

 当社は、高強度・高加工性・高耐久性をあわせ持つ従来型「SP-700」の製造・販売により、航空機やモータースポーツの分野で、その用途を拡げて参りました。ゴルフクラブの分野においても、その“飛び”の性能で高い評価を得、多数のメーカーで採用されておりましたが、2008年1月から、いわゆる“飛びすぎ禁止”のSLEルールが一般プレーヤーへも適用拡大されることになり、クラブメーカー各社も大半をSLEルール適合モデルに切り替えております。従来型の「SP-700」も、数多くのメーカーに引き続きご採用いただき、日本のドライバーフェイス向けでは、トップシェアを誇っておりますが、当社は新ルールに適した、より良い材料を求めて研究を進めて参りました。今回開発した弾性率の高い新チタン合金「SP-700HM」を用いれば、ドライバーフェース部の反発係数を抑えたままフェース厚を薄くでき、重心深度を下げた“打ち易いクラブ”の提供が可能となります。(当社によるコンピューターシミュレーションでは、「SP-700HM」を採用することでフェース部の剛性を従来比約12%高くすることが可能)

 以上の特性を持つ新チタン合金「SP-700HM」を2005年に開発し、販売活動に入りましたが、この度、ヨネックス株式会社のニューナノブイドライバー(本年3月16日発売予定)に初めて採用されました。また、既に、本年発売予定の新ドライバーへの採用が数社で内定しております。「SP-700HM」の開発は、ゴルフクラブ材料に求められるニーズをいち早く掴み、当社が長年培ってきたクラブフェースのコンピューターシミュレーション技術を材料製造技術に結びつけた成果です。今後、「SP-700HM」の拡販を推進するとともに、チタン製品開発の総合技術力を活かし、幅広い用途に向けた材料開発に努めてまいります。

 

(注1) SP-700: JFEスチールが開発し、製造販売を行っているチタン合金。従来合金より100℃以上低い700℃台で金属が飴のように延びる超塑性(Superplasticity)現象が発現することから名付けられた。
  HM: 高弾性率(High Modulus)の略。
(注2) 弾性率: ある一定の力を掛けた時に、変形する度合い。大きいほど、変形しにくい。
(注3) SLEルール: ドライバーのスプリング効果(Spring-like Effect)をある一定値以下に抑えなければならないというルールで、日本男子プロには、2003年から適用されている。
(注4) クラッド鋼板: 鋼板に、耐食性の優れた異種金属を貼り合わせて一体物とし、「鋼の強度」と「合わせ材の耐食性能」を併せ持つ複合材。圧延や爆着によって製造される。

ニューナノブイドライバー
写真1. ヨネックス株式会社製 「ニューナノブイドライバー」


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