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世界有数の鉄粉メーカーである当社は、このたび、高温焼結せずに高い回転曲げ疲労強度(※1)を発現する焼結部品の製造を可能とする新しい合金鋼粉を開発し、新たな商品ラインナップに加えました。
自動車の駆動系やエンジン系の部品として使用される焼結部品の市場は着実に伸びており、曲げなどの繰り返し応力に対して破断しないようにするため、高い回転曲げ疲労強度が必要な部品への対応ニーズが高まっています。
回転曲げ疲労強度は、部材内部に粗大な気孔が存在すると低下するため、高い疲労強度を得るには、より緻密な焼結体を製造する必要があります。このため、従来は特殊な高温焼結炉(※2)にて焼結反応を促進させ、粗大な気孔の形成を抑制していましたが、これは汎用焼結炉(※3)に比べて生産性が低く、製造コストが高いという課題がありました。
当社は、2004年に、汎用焼結炉において気孔の微細化を実現し、高い面圧疲労強度(※4)を発現する合金鋼粉を開発しました。今回は、この気孔微細化技術(※5)を更に深化させ、合金成分を最適化することにより、回転曲げ疲労強度においても高い値を発現する新たな合金鋼粉の開発に成功いたしました。
(表1)従来の合金鋼粉との対比
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新合金鋼粉
(高回転曲げ疲労強度) |
既開発合金鋼粉
(高面圧疲労強度) |
従来型4%Ni系合金鋼粉
(※6) |
| 焼結温度 |
1,130℃ |
1,130℃ |
1,250℃ |
| 焼結密度 |
7.3Mg/m3 |
7.3Mg/m3 |
7.3Mg/m3 |
| 回転曲げ疲労強度 |
490MPa |
430MPa |
450MPa |
(いずれも浸炭熱処理(※7)を実施)
新合金鋼粉は、高温焼結を不要とし、生産性の高い汎用焼結炉を使用することにより焼結メーカーにおける製造コストを低減するメリットがあります。また、より高い疲労強度も実現いたしました。2004年に発表した高面圧疲労用鋼粉とともに、高温焼結不要な高疲労強度用途向け合金鋼粉のラインナップが整いました。
新合金鋼粉は、現在4%Ni系合金鋼粉を高温焼結して使用している駆動系やエンジン系の部品などに適用できます。
| (※1) |
回転曲げ疲労強度:棒状材料の軸に垂直な方向に、曲げ伸ばしの力を規定回数繰り返し負荷する過程で金属疲労破断が発生しない最大応力。 |
| (※2) |
高温焼結炉:トレープッシャー式が一般的(トレーに部品を並べて載せるため相対的に生産性が低い) |
| (※3) |
汎用焼結炉:メッシュベルト式が一般的(ベルトに多くの部品を載せられるので相対的に生産性が高い) |
| (※4) |
面圧疲労強度:平板状の材料の表面に、転がり圧縮応力を規定回数繰り返し負荷する過程でピッチング等の欠陥が発生しない最大応力。 |
| (※5) |
気孔微細化技術:鉄粉素地にMoを溶かし込んだ予合金鋼粉の粒子表面にMo高濃度部を配したハイブリッド構造とした合金鋼粉を用い、粒子表面に濃化したMoのα相安定化作用により粒子間の鉄拡散(即ち焼結)を進行させ、焼結温度を低温化する技術。 |
| (※6) |
4%Ni系合金鋼粉:純鉄粉表面にNi4%、Cu1.5%、Mo0.5%を熱拡散により付着させた部分合金化鋼粉。 |
| (※7) |
浸炭熱処理:焼結部品表面の硬さを高くするため、COやCH4(メタン)を含む雰囲気中で加熱し、鋼の表層に炭素を拡散浸透させてから焼入れる熱処理方法。 |
【ご参考】(鉄粉製造能力について)
工場 : 東日本製鉄所(千葉地区)内
能力 : 鉄粉生産能力 年間 86,000トン程度
以 上
関連情報 (製品情報
> 鉄粉)
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