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【概要】
JFEスチール(株)とJFEフェライト(株)は、コアロス※1が低く周波数特性に優れたソフトフェライト※2「MBF4」の開発に成功しました。「MBF4」は従来製品「MB4」に比べて、300kHzにおけるコアロスを20%低減しています。また「MBF4」では、100kHzにおける損失を劣化させることなく高周波特性を改善し、100〜300kHzにわたる広い周波数帯域で業界トップクラスの低損失を実現しています。本製品は、DC-DCコンバータを始めとする様々なスイッチング電源※3への応用が期待されます。
本製品は、JFEグループが保有する高純度酸化鉄原料をベースにしたフェライト材料技術と、卓越した焼成技術の融合により実現されました。
なお本製品は、磁性材料の製造・販売を行なっているJFEフェライト(株)において、6月よりサンプル出荷を開始しました。
【背景】
交流電源や直流電源から所望の直流電圧を効率的に取り出すスイッチング電源では、より一層の小型化や電力変換効率の改善が求められています。
スイッチング周波数を高めることは、スイッチング電源を小型化する有力な手段の一つです。このため近年では、フォワード方式※4のDC-DCコンバータを中心に、スイッチング周波数が従来の100kHzから300kHzへ上昇してきており、この高周波帯域で電力損失を低減することが新たな課題となっています。またスイッチング周波数を100kHz程度に固定していても、駆動波形によっては高調波※5成分が電力損失に影響する場合があります。このような背景から、トランス用磁心等に使用されるフェライトコアに対しては、100〜300kHzの広い周波数範囲で損失が小さい製品が望まれています。
【MBF4の特徴】
今回、新たに開発した「MBF4」は、当社の従来製品であり業界トップクラスの低損失材である「MB4」※6と同じマンガン亜鉛系フェライトを発展させた製品です。
MBF4では、MB4の100kHzにおける低損失特性を劣化させることなく、300kHzにおけるコアロスを20%低減しました(図1)。周波数100kHz、磁束密度0.2T(テスラ)の正弦波※7で駆動した場合のコアロスは、100℃で300kW/m3です。また周波数300kHz、磁束密度0.1Tで駆動した場合は100℃で280kW/m3と、広い周波数範囲で低損失を実現しているため(図2)、様々な回路方式のスイッチング電源用トランスの電力損失低減に有効です。
なお「MBF4」では、化学組成の最適化と焼成工程における温度と酸素濃度の精密制御を通じて広い周波数帯域で低損失を実現しました。
【用途】
「MBF4」は、(1)スイッチング周波数が100〜300kHzで駆動される用途、(2)スイッチング周波数が100kHz程度で固定されていても駆動波形が矩形波※8や三角波※9のように高調波成分を含む用途、等に適しており、具体的には下記のようなスイッチング電源用トランスやチョークコイル※10用磁心があげられます。特にフォワード型のスイッチング電源に適した製品です。
- DC-DCコンバータ用トランスおよびチョークコイル
・ 通信機器、計測機器用電源
・ 移動体通信基地局用電源
・ ブロードバンドネットワーク機器用電源
・ ルーター、サーバー用電源
・ マイクロプロセッサ用大電流パワーモジュール
- 汎用スイッチング電源用トランスおよびチョークコイル
| (ご参考) |
| ※ 1 |
コアロス : 磁心により生じるエネルギー損失。 |
| ※ 2 |
ソフトフェライト : 酸化鉄とその他の金属酸化物の化合物で、電磁鋼板のような軟磁気特性を示す磁性材料。 |
| ※ 3 |
スイッチング電源 : 商用交流電源や直流電源を入力として半導体デバイスのスイッチング(オンオフ)制御により安定化された任意の直流電圧に変換して出力する装置。スイッチング周波数は1秒当たりのオンオフの回数のこと。 |
| ※ 4 |
フォワード方式 : スイッチング電源回路方式の一種 |
| ※ 5 |
高調波 : 基本周波数に対して、その整数倍の周波数を持つ正弦波。 |
| ※ 6 |
MB4 : 主にスイッチング電源のトランスコアに使用されるMnZnフェライトの材質名。周波数100
kHz近傍におけるコアロスが低いことを特徴とする。 |
| ※ 7 |
正弦波 : 交流波形の一種。一般家庭で使用される交流100 Vの電源波形に同じ。 |
| ※ 8 |
矩形波 : 周期的なパルス状の波形。 |
| ※ 9 |
三角波 : 周期的な三角形状の波形。 |
| ※ 10 |
チョークコイル : スイッチング電源の出力電圧波形を滑らかにし、安定化するための巻線部品。 |
以 上
| 【JFEフェライト(株)の概要(2003年7月末)】 |
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設 立 |
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1993年9月 |
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社 長 |
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束野耕一郎 (つかの こういちろう) |
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資本金 |
: |
13億円 (JFEケミカル株式会社100%出資) |
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本 社 |
: |
東京都台東区蔵前2−17−4 リバー蔵前ビル |
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工 場 |
: |
岡山県倉敷市 (JFEスチール 西日本製鉄所 倉敷地区内) |
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従業員数 |
: |
200名 |

| 図1 MBF4とMB4の100kHz/200mT、および300kHz/100mTにおけるコアロスの比較。 |

図2 MBF4とMB4のコアロスの周波数依存性比較。100℃において磁束密度と周波数
との積が一定となる条件で測定。 |
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