マリンブロックとは
  マリンブロックの製造方法
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  技術論文・報告
  トピックス
マリンブロックとは
 
 製鉄プロセスで発生する製鋼スラグと排ガスとを原料として製造した大型炭酸固化ブロックで、海での活躍を期待して「マリンブロック」と呼んでいます。このブロック自体は、珊瑚や貝殻の主成分と同じ炭酸カルシウムからできていて、海となじみがよく藻場造成礁や港湾工事用ブロックへの利用が期待されています。
 

マリンブロック写真
マリンブロックの製造方法

 製鋼スラグの微粉に適度の水分を添加し、型枠に詰め、下部から排ガスを吹き込むと、スラグ中の酸化カルシウム(CaO)と排ガス中の二酸化炭素(CO2)とが反応し、炭酸カルシウム(CaCO3)を生成します。この炭酸カルシウムがスラグ粒の間をネットワーク状に結合して大きなブロックにすることができます。いままで、スラグとガスとの反応を均一に行わせることが難しかったのを、JFEでは一方向に反応させることで安定した大型ブロックを製造することに成功しました。

炭酸化反応
細かく砕いたスラグを型枠に充填し、そこに排ガス(二酸化炭素)を吹き込んで吸収・固化させます。
スラグの表面は緻密な炭酸カルシウムで覆われます。

製造図
図:排ガス(二酸化炭素)吹き込みによるマリンブロック(スラグ炭酸固化体)の製造

マリンブロック(スラグ炭酸固化体)の微細構造
マリンブロック(スラグ炭酸固化体)の微細構造
マリンブロック(スラグ炭酸固化体)の微細構造
マリンブロック(スラグ炭酸固化体)の微細構造
 
製造設備
排ガス中の二酸化炭素を選択的に取り込み、製造時に炭酸ガス削減効果をもたらします。

製造フロー図
 
実施例紹介
 
植生試験
(1)マリンブロックの藻礁材としての植生試験
 
1997年11月より、25cm角のマリンブロック5個を瀬戸内海の海中に沈設し、海藻の植生変化を観察したところ、翌1月末(3ヶ月後)には、表面に緑藻類(シワランソウモドキ)やサザエが付着し、その夏には、緑藻類のアナアオサがブロック全体を覆うようになりました。

(2)自然石、コンクリートブロックとの比較試験
1998年4月からは、マリンブロックと自然石(花崗岩)及びコンクリートブロックとの比較試験を同じ瀬戸内海で行い、マリンブロックにホンダワラ類の初期の着生が多く、コンクリートブロックより優れていることが明らかになりました。翌1月の最終調査時に採取したホンダワラ類の湿重量はマリンブロックがもっとも多い結果となりました。これはマリンブロックが多孔質であるため、これらの藻類が強固に付着したためと思われます。


(3)大型マリンブロック沈設試験  
1999年4月から、1m×1m×50cmのマリンブロック15個を、水深5 mの海底にピラミッド状に積み上げて、大型海藻を含めた藻の植生や生物の蝟集状況を調査する試験を実施しています。季節の変化に応じて、色々な海藻や生物のマリンブロック上への付着や魚類が多数集まっている様子が観察されています。

写真
 
 
   
ブロック全周囲にきれいな紫色のカギケノリが、また上部には緑藻類のミルなどの海藻が繁茂している。 2001年5月撮影
マ リンブロックが見えなくなるほど繁殖したわかめ。 2001年5月撮影
   

(4)マリンブロック実海域実証試験
神奈川県城ヶ島の大型海藻のカジメ場(水深7m)に、1m×1m×1mの立方体のマリンブロックとコンクリートを、各々5基ずつ沈設しました。
試験は2001年の11月に開始し、約4年間モニタリング調査を行ってきた結果、当初よりカジメの着生はマリンブロックが優位で、2005年3月の調査でもブロック上面に着生している成熟したカジメ数はマリンブロックがコンクリートの約2倍以上となっています。

コンクリートとの比較試験(1mブロック)
マリンブロック コンクリートブロック
マリンブロック コンクリートブロック
 
※写真は神奈川県城ヶ島(沈設8ヶ月後)カジメの幼体の初期着生数・生存数ともマリンブロックの方が多い


■ マリンブロック実海域実証試験 ■

藻場造成基盤として、日本全国の海域における大型藻類や珊瑚を対象にした実証試験で良好な結果を得ています。
マリンブロック実海域実証試験 マリンブロック実海域実証試験
 *珊瑚着生基盤としての「マリンブロック」を特に「コーラルブロック®」と呼んでいます。

(5)港湾工事用ブロックとしての材料特性・水理特性評価
被覆ブロックなどへの利用を想定した材料試験、水理模型試験、現地施工性試験を実施し、港湾工事用材としての評価をしています。設計、施工上、コンクリートブロックと同様に扱うことができることを確認しています。

写真
「マリンブロック」「コーラルブロック」はJFEスチールの登録商標です。
(6)港湾域の環境再生への提案
港湾施設とするマリンブロックを組み合わせることで港湾域の環境を再生する方法を提案しています。
港湾域の環境再生方法の例(桟橋とマリンブロックの組み合わせ)
 
「マリンブロック」はJFEスチールの登録商標です。
 
資料編
カタログ「藻場造成礁 マリンブロック」(PDF 5P/513KB)
  鉄鋼スラグ大型炭酸固化体「マリンブロック」
  マリンブロックは(財)港湾空間高度化環境研究センター(http://www.wave.or.jp)から「鉄鋼スラグ炭酸固化体利用マニュアル -藻場・サンゴ礁の再生に向けて-」としてマニュアルが発刊(H16.3)されています。
     
技術論文・報告
藻場造成用基質としての炭酸固化体の評価
磯尾典男,高橋達人,岡田光正:日本水産学会誌,66,647-650(2000).
  スラグと二酸化炭素との反応を利用した新しい材料の開発
福原実,高橋達人:まてりあ,39,594-596(2000).
  スラグ炭酸固化ブロック技術の新しい展開
高橋達人:セラミックス,35,951-953(2000).
  新材料としての製鋼スラグ炭酸固化体
高橋達人,コンクリート工学,38,3-9(2000).
  Development of large steelmaking slag blocks using a new carbonation process
T. Isoo, T. Takahashi and M. Fukuhara: Advances in Cement Research12, 97-101(2000)
  Using Carbonated Steelmaking Slag Blocks to Help Reduce CO2
Tsuneo Isoo, Tatsuhito Takahashi and Minoru Fukuhara: American Ceramic Society Bulletin, 73-75(2001).
  多孔質炭酸固化体を用いたサンゴ幼生着生試験
小山田久美、高橋達人、岩尾研二:日本サンゴ礁学会第6回大会要旨集(2003)
  藻場造成礁用鉄鋼スラグ炭酸固化体の開発
鈴木操、小山田久美、高橋達人、渡辺圭児:コンクリート工学、42-3,14-20(2004)
     
トピックス
鉄鋼スラグを活用した実海域における海域環境改善試験の実施について [2002/03/27]
  環境にやさしい藻場・漁礁用大型ブロックの開発について -鉄鋼スラグ大型炭酸固化体「マリンブロック」の開発- [1999/05/19]
  環境にやさしい藻場・漁礁用ブロック「マリンブロック」が第一回リサイクルアワ ード 企画賞を受賞[2001/05/16]
  総合学習で漁礁用ブロック海にしずめ実験(朝日小学生新聞 [2001.7.11] から  (PDF 219KB)
  マリンブロック 第一回リサイクルア ワード企画賞を受賞 (NKK 360°No.48)
  CO2削減と海洋資源の育成に寄与する資源リサイクル 製鋼スラグ大型炭酸固化体 マリンブロック(NKK 360°No.42)
     
    旧NKKの過去のプレスリリースにそのままリンクしています。 2003年4月事業統合により連絡先が変わっていますので、この件に関する問い合わせは以下にお願い致します。
    ⇒JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL:03-3597-3166