ユニバーサルブライト

JFEスチールCAN最前線!

18リットル缶をご存知ですか?
「一斗缶」「石油缶」といった昔の呼び名の方がイメージしやすい方もいらっしゃるかもしれません。18リットル缶は、醤油や果汁、食油、塗料、薬品といったさまざまな内容物を保管・輸送するための大型の缶です。幅広い用途に使用されるため高い耐食性が求められます。以前は缶の内面に塗装・焼付けをするのが主流でしたが、有機溶媒が揮散したりCO2が大量に発生するなど、労働環境、地球環境に大きな負荷がかかっていました。

18リットル缶製造工程

その問題を解決したのが、当社が開発したラミネート鋼板「ユニバーサルブライト®」タイプEです。PP(ポリプロピレン)フィルムを鋼板に連続的に被覆することで、缶の内面側の塗装・焼付け工程が不要となるとともに、高い耐食性を確保している点が特徴です。PPは耐食性に優れている反面、鋼板に密着させることが難しいという課題がありました。そこで、当社では、特殊接着層を有する2層構造のPPフィルムを新たに開発し、鋼板とフィルムの密着性を高めることに成功しました。「タイプE」とは、「Ecology」の頭文字をとったもので、環境に優しいことを指しており、西日本製鉄所(福山地区)の錫鍍金工場で製造されています。「ユニバーサルブライト®」タイプEを使用すれば、酸性からアルカリ性までの幅広い内容物に適用した、安価で、人や地球環境にも優しい18リットル缶の製造が可能となります。

18リットル缶製造工程
(写真キャプション) 写真/大日製罐株式会社埼玉工場
VOICE
インタビュー

-Takeshi Suzuki-

鈴木 威

スチール研究所
缶・ラミネート材料研究部
(千葉地区駐在)

鈴木 威

鋼板だけでなく、溶接などの技術でも
お役に立つことが大切です

塗装缶よりもトータルの製缶コストが安く、酸性からアルカリ性までさまざまな内容物に適用できるラミネート鋼板を目指し、1990年代後半に開発に着手しました。安価で耐食性の高い樹脂であることから、PP(ポリプロピレン)フィルムを使用することを決めたのですが、通常のPPフィルムでは一部の腐食性の高い内容物に耐えられなかったため、試行錯誤を繰り返しました。樹脂の組成だけでなく構造まで見直すことで目標の耐食性を達成できたときは、ほっとしました。開発スタート時から鋼板の要求特性を議論したり、実際に製缶ラインでテストを繰り返す中で溶接条件をともに確立したりと、「ユニバーサルブライト®」タイプEは製缶メーカー様の方々と一体となって作り上げた商品です。製缶工場に何度も足を運び、時には泊まり込みで試験をさせていただく中で、我々の商品である鋼板をご提供するだけでなく、お客様がこの鋼板を使用して商品を製造するための技術に関してお手伝いすることも、鉄鋼メーカーの重要な役割の一つだと感じました。今後も、お客様目線での研究開発に取り組んでいきたいと思います。