掘削リグには、比較的浅い海洋で活動するジャッキアップリグ、深い海洋で探査するセミサブ型、船型があり、使用される材料は船級協会規格に基づいた鋼材となり、DH36、EH36、FH36等の高降伏点鋼が多く使用されています。中でもジャッキアップリグのレグおよびレグ廻りは高張力鋼が使用され、特にラックは極厚鋼板のHT80が使用されます。ジャッキアップリグは寒冷域にも航行、掘削するので-60℃という厳しい低温靱性が要求される場合もあります。JFEスチールは多くのラック&コード用高張力鋼板JFE-HITENを製造してまいりました。中でもJFE-HITEN780MLは寒冷地用ラック&コード用に開発したものです。
生産プラットフォームの代表的なものはジャケットです。近年においては、採掘水深がメキシコ湾、ブラジル沖の例で2,300~2,400mと深くなり、浮遊式のTLP(Tension Leg Platform)、SPAR、FPSO(Floating Production、Storage and Off-loading)が多く使われています。ジャケットをはじめ、TLPのトップサイド、パイル、SPARのトップサイドでは、API 2W 50(降伏点355N/mm2以上)、60(同410N/mm2以上)に代表されるTMCP型高張力鋼が使用され、これらの鋼材の溶接継手部には、使用環境温度における、厳格な破壊力学アプローチの一つであるCTOD(Crack-Tip Opening Displacement)値が要求され、鋼材の製造前にPQT(Pre-Qualificatio Test)として、その試験が要求されます。JFEスチールは、溶接熱影響部の組織制御技術を使った鋼板につき、代表的な規定のAPI RP2Zに基づく認証を保有しています。
氷海域のような厳しい気象条件での掘削では、移動式ケーソンリグMACR(Mobile Arctic Caisson Rig)、ケーソン型人工島リグCIDS(Concrete IsIand Drilling System)、シングル・スチール掘削ケイソン(Single Steel Drilling Caisson)、浮体型掘削ユニット(Conical Drilling Unit)があります。MACR、CIDSに使用される厚鋼板は、いずれも移動式のため船級規格のもので、海底のベース以外はいずれも-60℃での低温靱性が要求されます。これら構造物の溶接はその溶接線の長さから高効率の大入熱溶接が採用され、しかも溶接部にも同じ低温靱性が要求されます。JFEスチールはTMCP技術にEWEL技術を組合せ、多くの氷海域海洋構造物用鋼板を提供してまいりました。
上述の石油・ガス掘削・採掘さらに洋上空港等のウオーターフロント用構造物では、海水あるいは海塩による腐食対策が重要です。JFEスチールでは、耐海水鋼、(JFE-MARIN)、Tiを含む各種クラッド鋼板を取り揃えています。