用途

建築

JFEスチールは建設環境の変化、阪神大震災を契機とした耐震性要求の高度化、建設コスト縮減、環境への配慮といった社会ニーズに呼応した建設材料の開発に努め、多くの製品をご用意しております。

ビル

建築の構造性能としては耐震性能の確保が重視されています。建築構造用鋼材には、新耐震設計法で前提としている骨組みの塑性変形を実現するための、十分な変形性能を有することが求められております。これらはJIS G3136のSN規格にあるように低降伏比や降伏耐力上限値の規定により達成されています。また、建築物の高層化、大スパン化に伴い、建築構造用鋼材としては大断面、厚肉、高強度鋼材のニーズが高まっております。JFEスチールは、こうした社会的要求に応えるべく、厚さ40mmを超える高強度厚肉鋼板の製造プロセスにいち早くTMCP法を取り入れました。最新鋭の加速冷却設備Super-OLACによるTMCP法を用いた建築構造用TMCP鋼材を“HBL(エイチビーエル)”シリーズとして製品化しております。厚さ40mm超え100mmまで高強度を達成しています。その設計基準強度(F値)はHBL325が325N/mm2HBL355が355N/mm2です。“HBL”シリーズの特長としては、高強度かつ靭性に優れ、優れた溶接性が挙げられます。大スパン構造向けの大断面溶接組立H形断面材から、超高層建築の溶接組立四面ボックス柱まで広い用途に適用することが可能です。
 さらに、“HBL"シリーズには、鋼材強度あたりの経済性に最も優れた鋼材HBL385をご用意しております。HBL385の製造範囲は厚さ19mmから100mmまでであり、設計基準強度は385 N/mm2と、建築構造用TMCP鋼材では最も高い強度となります。高強度であることを活かし、HBL325と比較し断面厚さを最大約18%低減することが可能となり、鋼材と溶接などの加工からなる鉄骨価格のミニマム化をねらえ、重量減による環境負荷の低減に貢献できます。

建築構造用TMCP鋼材の最大強度材はHBL385ですが、製造プロセスにおいて熱処理を行うことにより更に強度の高い鋼材を製造することが可能となります。JFEスチールは、いち早く二相域熱処理による「低降伏比590N/mm2鋼材」を開発しました。1986年に初めて実プロジェクトで採用され、その技術が評価され1992年に「大河内記念技術賞」を受賞いたしました。その後、1996年に建築構造用高性能590N/mm2鋼材「SA440」(設計基準強度 440N/mm2)の大臣認定を取得することで多くの大型物件にご採用いただいております。JFEスチールではSA440の溶接性、加工性をさらに改善した「高施工型SA440-U」を商品化しております。従来のSA440よりも溶接割れ感受性PCMを低く抑えることにより、溶接時予熱温度の低減が図れます。


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また、新たなニーズとして、地震発生直後も建築物の機能が維持でき、短期間に復旧できることが着目され、制振ダンパーの適用が進んでおります。JFEスチールは制振ダンパー用として低降伏点鋼材JFE-LY100、JFE-LY225をご用意しております。従来の軟鋼に比べて強度が低く、延性が極めて高い鋼材で、制振ダンパーに適用することで、柱や梁などの主要構造部の損傷を防ぐことが可能となります。

さらに、火災による高温にさらされても強度を確保できる鋼材として、建築構造用鋼材に高温時の強度保証を付加した建築構造用耐火鋼材JFE-FRをご用意しております。JFE-FRを適用した可燃物の少ない建築物の耐火設計を行い耐火性能を確認することで、耐火被覆が省略・軽減することが可能となります。柱、梁などの構造躯体を仕上げとしたデザインが可能となります。さらに、建築工事の簡素化に伴う工期の短縮などさまざまなメリットが生まれます。