
(1月4日CEOは、社内およびグループ各社にあて以下のメッセージを発信致しました)
第二次中期計画を着実に締め括り
更なる成長に向けた挑戦の年に

明けましておめでとうございます。新年に当たり、ご挨拶申し上げます。
私たちはこれまでの二年間、第二次中期計画の目標達成に向けた活動を推進してきましたが、2007年度の収益は、引き続き高いレベルを確保できる見通しとなりました。これは、日々、生産・販売・開発に取り組んでいただいたJFEスチールグループ皆さんの努力の賜物です。
昨年は、当社の成長を実現するための基盤作りが着実に進み、福山第4CGL・京浜連続式酸洗・知多シームレス増強など高付加価値商品拡販のための設備対応は、ほぼ完了しました。また、チャンピオン技術トランスファー活動などによって、生産能力と品質向上の両面で大きな成果を上げることができました。海外事業では、中国広州CGLで自動車用鋼板の製造を本格的に開始し、冷延プロジェクトにも先月着工しました。国内グループ会社も、事業基盤整備を進め、1,000億円以上の経常利益を安定的に確保できる体制が整いました。
さて、2008年度は第二次中期計画の総仕上げの年です。我々を取り巻く環境は、資源価格の高騰や米国経済の減速懸念など不透明な状況にありますが、高付加価値商品サプライヤーとしての基盤を確実にするため、各部門ごとに目標に対する進捗を点検し、遅れている項目についても必ず達成してください。
以下、私が特に重要と考える課題について申し上げます。
一つ目の課題は、中期目標として掲げた「高付加価値商品の拡販」を確実に実現することです。昨年までに「能力、品質、デリバリー」の向上に向けた取り組みを行ない、大きな成果を上げていますが、お客様の要請に応えるためには、更に一段の努力が必要です。熱延能力については、これまでの能力増強投資の戦力化と操業安定化活動による稼働率アップにより、年間2,100万トンまで向上させたいと考えます。厚板についても、造船・建機分野の旺盛な需要に応えるため、更なる稼働率アップを図り年間600万トンの体制を作り上げることが必要です。今年中には、これら一次圧延能力の向上と新規稼働したCGLなど下工程設備のフル稼働化を図り、高付加価値商品の拡販目標を達成してください。また、研究開発の面でも、お客様サイドのプロセスとニーズを理解し、メリットのある提案をしていくことが極めて重要です。お客様との信頼関係を基に開発ニーズを共有化し、上工程から下工程までの一貫した技術力を更に強化し、お客様からの要請に応えていただきたいと考えます。
二つ目の課題は、原料高騰への対応です。ここ数年世界的な鉄鋼生産の拡大に伴って、原料価格は大幅に上昇しています。特に、昨年から主原料のほかに合金鉄など副原料、スクラップなどの価格高騰が顕著であり、今年も先行きは不透明です。「安価原料の活用」が不可欠になると同時に、いかに不良品を少なくして一級製品を多く造るかが、今まで以上に重要となります。
三つ目の課題は、CO2削減です。本年は、地球温暖化ガス削減に向けた京都議定書第一約束期間がスタートする年です。鉄連自主行動計画である1990年度比10%削減を達成するために、第二次中期計画の期間中に約1,000億円をかけてきた省エネルギー投資や京浜のシャフト炉などスクラップ利用設備の効果をきちんと出すことが必要です。省エネへの取り組みと、スクラップの使用比率を高めていくことにより、目標としたCO2排出量削減と世界トップレベルのエネルギー原単位を達成しなければなりません。当社の得意とする高機能電磁鋼板・高張力鋼などエネルギー効率や軽量化に寄与する製品や、ソーラーシリコンなどの開発・供給を通じて、社会全体の省エネに貢献することも積極的に進めて欲しいと思います。また、将来の抜本的なエネルギー効率改善に向けた技術開発にもチャレンジしていきたいと思います。
四つ目の課題は、グループ会社についてです。第二次中期計画では「足腰の強いグループ会社群」を目指して、設備のリフレッシュや安全・環境への対応強化などを推進してきましたが、今年はそれを完成させる年です。スチール連結収益を支える製造体質・収益基盤強化が確立されているか今一度点検し、今年一年間の活動に反映してください。また、各社の保有する商品やサービスの質を高め、高付加価値化を一層進めていただきたいと思います。
以上、本年の重点課題を申し上げましたが、本年は、第三次中期計画を策定する年でもあります。
世界の鉄鋼業界では、アルセロール・ミッタルの誕生に代表されるグローバルな統合・再編が活発に行われるとともに、高級化や能力拡張が多数計画されています。また、原料サプライヤーの寡占化、自動車など鋼材ユーザーのグローバル化への対応を迫られるなど、世界の鉄鋼業界はダイナミックな変化の時期にあります。
当社はこれまで、統合効果の早期発現・生産基盤整備・財務体質強化など「基盤がため」に重点を置いてきましたが、今後伸びが見込まれるアジアの高級鋼の需要に確実に応えていくために、「マーケットの成長に応じた生産規模の拡大」を考える必要があると思っています。高付加価値商品の需要増加に対応した供給能力の向上を図るため、国内の生産を更に10%程度増加させたいと考えています。国内外の生産分担を含めたグローバルな生産体制を検討し、今年中に具現化していきたいと思います。また、原料や流通・加工分野などを含めた垂直分業の一層の展開や、顧客満足度向上につながる品質・デリバリー・商品開発・ソリューション力の強化など、「質の成長」を図るための施策も引き続き進めていく必要があります。経済のグローバル化と共に環境変化のスピードは速くなっており、これら施策の実行に当たっては、マーケットの変動に耐えられる強固な体制の構築に取り組んでもらいたいと考えます。当社グループの企業理念である「世界最高の技術をもって社会に貢献する」ために、今年中に具体化し、実行に着手したいと考えています。
ここで、皆さんに常に意識していただきたいことを申し上げます。
まず一つ目は、「安全」についてです。昨年は全社的な活動の成果もあり、改善の兆しが見られましたが、重大災害を根絶できず極めて遺憾な一年でした。安全は我々自身にとってはもちろんのこと、社会から信頼を得るために最も大切にしなければならない基本であります。管理・監督者は徹底的に真の原因を究明し、再発防止策を行なうとともに、第一線の作業者の皆さんは、ルールを守り、災害の危険があるときは、躊躇せず設備を止めることを実践してください。それぞれの職場において日常のコミュニケーションを充実させ、自分の役割を確実に果たすことで、「災害ゼロ」を達成していただきたいと思います。
二つ目は、「業務の再構築と効率化」についてです。今後、成長戦略を具体的に検討・実行していくためには、相当のマンパワーが必要となります。限られた人材の中でこれを行なっていくためには、思い切った業務の再構築と効率化が必要です。昨年末設けた推進チームを中心とし、今後全社的に業務の再構築活動を進めていきます。各製鉄所・製造所、各部門でも自分の業務の棚卸しを行ない、仕事の仕方を抜本的に変えていただきたいと思います。役員みずから先頭を切って進めるようお願いします。
三つ目は、「CSRへの継続的な取り組み」についてです。2005年7月に「CSR会議」を設置し、安全・環境・コンプライアンスなどの徹底に向け全社的な活動を推進してきたことにより、皆さんの意識の中に着実に定着してきたと思います。JFEスチールグループが社会から信頼される存在であるために、守るべきことをきちんと守り、一人ひとりが自覚を持って取り組んでいただきたいと思います。
最後になりましたが、労働組合の皆さんに一言申し上げます。
先ほど申し上げた経営課題にスピード感をもって対応するためには、「現場の声」をいち早く吸い上げ、一丸となって取り組んでいくことが不可欠です。この生産現場の声を代表する労働組合のご理解とご協力が、経営の改革・改善を進める上で重要と考えております。本年も建設的な議論を交わしたいと思いますので、よろしくお願いします。
本年が皆さんとご家族にとって実り多く、健康で幸せな一年となりますよう心から祈念し、新年のあいさつといたします。