
(1月4日CEOは、社内およびグループ各社にあて以下のメッセージを発信致しました)
第二次中期計画の着実な達成を目指し
グループ一丸となり力を尽くしていこう

皆さん、明けましておめでとうございます。
昨年は、良好な世界経済を背景に、我が国経済も緩やかな成長を維持しました。今年は世界的に若干の減速が見込まれるものの、基本的に堅調な経済成長が持続すると思われます。
私たちが身を置く鉄鋼業についても、昨年の世界鉄鋼生産は粗鋼で12億トンを超える勢いとなりました。当社の得意とする高級鋼マーケットにおいては、国内の製造業や中国を中心とするアジア地域で安定的な成長が続いています。
一方で、アルセロール・ミッタルの誕生など、世界的な規模での統合・再編が活発化し、中国鉄鋼業もこれまでの大幅な設備能力拡大により純輸出国に転じるなど、私たちを取り巻く環境は刻々と変化しています。
このような環境のもと、昨年4月、私たちJFEスチールグループは第二次中期経営計画をスタートさせ、着実にその第一歩を踏み出しました。中期計画の中間年度である2007年の年頭にあたり、私の所信の一端を申し上げたいと思います。
今年は、中期計画目標である高付加価値商品300万トンの拡販による単独粗鋼3000万トン、連結3400万トン体制を確実なものにする年と考えています。また、技術・品質面での競合他社の追い上げや、中国が純輸出国化した現状を踏まえると、もう一段の高級化を徹底しなければなりません。これらの課題に、グループ一丸となって取り組んでいきたいと思います。
先ほども申し上げましたが、世界的な規模でM&Aによる統合・再編が進んでいます。このような中で我々は何をなすべきでしょうか。
我々の成長戦略は、質の成長、すなわち「高付加価値商品サプライヤー」としての地位を確立することです。この実現のためには中期計画目標の達成が必要であり、これにより企業価値を向上させることが株主や顧客の皆様からの信頼確保につながると考えています。
また、我々を取り巻く環境は想像を超えるスピードで変化しており、変化への柔軟な対応がますます重要となっています。その時々の環境変化に応じて新たな施策を検討し実行していく必要があります。
それでは、以下に本年の重点課題を三点申し上げます。
まず第一の課題は、「高付加価値商品の拡販をはじめとした中期課題の着実な達成」です。
今年は、これまで建設を実行してきた福山第4溶融亜鉛鍍金設備・京浜連続式酸洗設備の新設、倉敷棒線高級化、知多小径シームレス生産能力増強など高付加価値商品拡販のための設備対応がほぼ完了する見通しです。これらの新規稼働設備を早期に戦力化し、既存ラインを含めた安定生産を実現することが極めて重要です。1次・2次圧延・出荷までの一貫で粗鋼生産量3000万トンの実力をつけ、設備の安定稼働とさらなる体制の強化を目指す所存です。
また、「高付加価値商品の拡販」のためには、営業・研究開発・製造が一体となり、お客様にとっての総合的な価値を高めることが必要であります。昨年完成しました新統合システムJ-Smileを最大限活用するとともに、各品種セクター毎に顧客満足度向上策を具体化し、これを事業の中で活かしていただきたいと思います。
アジアの有力ミルが力をつけている現状の中で常に一歩先をいくために、技術開発力の更なる向上が必須です。新商品開発、高級鋼の造り込み技術、スクラップ利用技術など、中期計画で掲げたテーマを追求し、高度化する品質要求とコストとの両立を念頭に置いて技術開発を進めてください。
CO2削減などの環境課題への対応については、2008年から始まる京都議定書の第一約束期間を目前にひかえ、今年中には達成の目処をつけておかなければなりません。省エネルギー技術についての実証を済ませ、またシャフト炉の建設対応など着実に進めてください。
人材育成・技能伝承に関しては、既に昨年から新入社員の採用数を増やし、伝承すべき技能のマップ化など世代交代に向けた準備を進めています。また、今年4月から実施する人事・賃金制度の改訂は、技能伝承や職場運営の重要な担い手であるベテラン社員と役職者の皆さんの活力向上を図るとともに、製造現場の指揮命令系統やラインとスタッフの役割分担を明確にすることを狙いとしています。こうした制度改訂の趣旨を理解し、円滑な技能継承を図り、当社の競争力の源泉である製造現場の実力に磨きをかけていただきたいと思います。
第二点目の課題は、「グループ会社の収益力向上」です。
当社の連結収益の約20%は、グループ会社の利益によるものです。連結ベースでの企業評価がグローバルスタンダードとして定着した現在、グループ会社の収益力向上が極めて重要です。品質高度化・合理化・環境対応などの設備基盤強化や、人材育成・技能伝承など、各社中期課題の達成に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思います。外部展開事業、機能分担事業など各社の役割は異なりますが、スチールの戦略との同期化・一体化を図り、より高度な商品やサービスを提供できる体制の構築に貢献していただきたいと考えています。
続きまして第三点目の課題は、「海外事業の更なる展開」についてです。
当社は、これまで信頼関係に基づく国際的な提携により、国内の生産基盤を活用した垂直分業を展開してまいりました。昨年は、中国における自動車用鋼板の拠点である広州JFE鋼板が稼働を開始し、また韓国の東国製鋼と高級厚板分野の競争力向上のための提携強化を行ないました。このほか原料分野でも、中国やブラジルでの合金鉄製造事業、競争力のある鉱山への投資などに取り組んでいます。これらの海外事業について、我々が意図した効果がきちんと早期に発揮できるよう、着実に実行することが大事です。これからも成長の見込める海外での高級鋼マーケットに軸足を置き、潮流を見定め的確にチャンスを捉えていきたいと考えます。
次に、従業員の皆さんの安全と健康について申し上げます。
当社は創立以来、「安全は全てに優先する。全ての災害は防ぐことが可能であり、断じて防がねばならない」を基本とし、安全確保に取り組んでいますが、昨年は重大災害を根絶することができず、休業件数が40件を上回るという極めて残念な結果でした。
災害の原因・背景を見ると、設備・条件設定の不備、作業手順・ルールの不徹底等に関する問題が災害に結びついたという状況にあります。第一線の作業者、そして管理・監督者が、日常のコミュニケーションを良くし、それぞれの役割において課題を認識し、対策を講じるようにしてください。
また、JFEスチールグループの皆さんが持てる能力を十分に発揮できるよう、自らの健康・体力の確保に努め、活力ある職場づくりを目指して欲しいと思います。
ここで労働組合に一言申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、鉄鋼業を取り巻く環境変化は激しく、経営課題は従来にも増して多岐にのぼることが想定されます。製造業の原点である「現場」の声を代表する労働組合のご協力が、経営の改革・改善を進める上で極めて重要なものと考えております。昨年は、人事・賃金制度をはじめとする種々の制度改訂について、労使で真摯に議論を尽くして成果を挙げることができました。本年も、労働組合とは諸課題克服のために建設的な議論を交わし、お互いに切磋琢磨してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解とご協力をお願い申し上げます。
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以上、私の所信の一端を申し上げましたが、最後に我々がこれらの課題に取り組むにあたり、常に念頭に置くべきことを二点申し上げたいと思います。
ひとつは、これまでも申し上げてきましたように、「公正・公平・透明」の姿勢を貫くということです。私たち一人ひとりが常に誠実で公平な態度で社内外の方々と接すると同時に、職場内で目的や課題の共有化を図り、透明性を高めていくことが必要です。今まで以上に「思ったことを率直に話し合える」企業風土をぜひ作り上げたいと考えています。
もう一つは、私たちが企業活動を推進していくにあたり、CSRが全ての土台であるということです。「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」というJFEグループの企業理念を心にしっかり刻み込み、日々新たな気持ちで仕事に取り組もうではありませんか。
本年が皆様とご家族にとり実り多く、健康で幸せな一年となりますよう心から祈念し、新年のあいさつといたします。