循環型社会を形成するため，建設工事においても，産業副産物の有効利用，資材の再利用，天然資源の使用量抑制が求められている。このような背景から，浚渫土や建設発生土を固化処理して，二重矢板式護岸の中詰土として利用する環境負荷低減型の構造形式を提案した。この構造形式の力学的特性を遠心模型実験により明らかにし，さらに，この実験を再現する二次元のFEM解析モデルを作成して，挙動特性の検討，設計的な評価を行った。その結果，今まであまり有効利用されることがなかった浚渫土を固化処理して中詰土として有効に利用できることを確認した。また，固化処理土を中詰した構造形式は，従来の天然良質砂などを中詰した構造形式より設計的に安全側になることを確認し，新しい二重矢板式護岸を実用化した。

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